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三軒茶屋の集合住宅

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荒川圭史

東京デザインオフィスの荒川です。

以前「形の操作」というタイトルで、袖壁やベランダのスラブの形を操作してどんな形にできるのかというblogを書きましたが、完成した最終形と賃貸住戸が ちょっと面白いものになっているのでその紹介をさせていただきます。

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2戸の賃貸スペースを持った二世帯住宅です。

3階は親世帯の住戸、2階は左右に賃貸の住戸が一つずつ。

1階は子世帯と親世帯それぞれの玄関、中央部が賃貸の玄関という構成になっています。

今はヘーベルハウスのアパートも標準的に共用部は屋内にするケースが増えてきているのですが、この計画していた頃はほとんどこのケースはありませんでした。 そういう意味では屋内の共用部を持ったヘーベルハウスの集合住宅の走りの計画だと思います。

アパートも2戸しかないので、私自身もあまり共同住宅然としたものにはしたくなかったのと、お客様は以前パリに住んでいたこともあり、デザインやインテリアへの関心も高く、どこ にでもある普通アパートのようなものは作りたくないと考えておられたことで、かなり特殊解的な物が出来上がりました。

共用部も住戸の延長のような形でデザインしました。

本当は1Kやワンルームという表現もあまりしたくないと考えていて、自分が一人で住むなら、ホテルのようにある程度の大きさがあっても、 ワンルームの中に全てのものが入っていたほうがずっと快適だと考えているので、お客様も私も自分が住むわけではないのですが、一緒に楽しみながらデザインしていきました。

普通の不動産仲介業者では、こんなアパート借り手がいませんといわれてしまいそうな形です。

場所が三軒茶屋の駅に近いということもあり、見に来ていただければすぐに借り手は決まると考えていたのですが、その通りになりました。

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共用玄関のドアを開けるとストレートの階段があり、左右に一つずつアパートがあります。 斜線制限で北側はセットバックしなければならないので北側にもベランダがあり、両方に掃出しの窓を設けて、南北に開き、連続したワンルームの空間を作りました。 南側に1.8mの壁を立ち上げ半分閉じた形の空間を作ってあります。

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天井面から南の開口からの光が漏れています。

お客様のこだわりで、片方は赤、もう一つは紺がそれぞれの住戸のイメージカラーにしています。

フランス好きというかコルビジェ好きということもあり、インテリアに大胆に原色に近い色を使っていくことにまったく抵抗がないというかむしろそれを望まれていました。

小さく囲った南側のスペースには、ベッドを置くのか、クローゼットとして使うのか、書斎的な使い方をするのか、住む人が自由に使ってもらえばよいと考えていました。

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内装仕上げもPB+ビニールクロスという形ではなく、ペイント仕上げとしています。 パーテションはガラスを使ったり、照明はダクト照明を使ったり、洗面キッチンも標準的な物ではなくかなりシンプルな物を選んでいます。

住んでいる方が実際にどんな住まい方をしているのか、話を聞いてみたい気がします。

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