建築ストーリー

名東区の住宅

公園の散歩道のように、玄関までゆったりと登っていく階段が印象的な「名東区の住宅」。
オーナーの柴田様は、造作家具のデザイナーとして東京デザインオフィスの数多くの
住宅に携わっていただいています。そんな柴田様に、TDOでの住まいづくりについて
うかがいました。

写真左から、左:営業担当 生嶋  中:柴田様  右:荒川

── ご自宅を建築するにあたって、へーベルハウスを検討されたきっかけを教えてください。

柴田さん:当時は分譲マンションに住んでいて、いずれは子供の学区内で住み替えたいとは思っていました。とは言っても、土地を買って一戸建てを建てるのか、広いマンションにするのか、新築なのか、中古の買い替えか・・・・という感じで漠然と。そんな時に、たまたま荒川さんに「そろそろご自宅、どうですか?」と声をかけもらったのがきっかけです。

荒川:2019年でしたか、声をかけてみたら案外真剣に考えてくださって(笑)

柴田さん:それまでは、頭のなかでいろいろ考えたり、家族で話したりということはありましたけど、具体的に検討しはじめたのは荒川さんに声をかけてもらってからですね。いいきっかけになりました。

持ってこなかった釣り竿

── いざ土地を購入され、家づくりがはじまった時に、新居に対する明確なイメージはありましたか?

柴田さん:『車庫がほしい』と、ありきたりですが、『ものが多いので大きな収納がほしい』ということは思っていました。

自分の趣味の釣り道具を仕事場に置いてあって、自宅でも眺めたり、手入れできたらいいなあと思っていましたけど・・・結局持ってきてないですね。階段下やパントリーに十分な収納量はあるんですけど、いざ住んでみたら、そうはならなかったです(笑)

── 好きなものに囲まれて過ごす気まんまんだったけれど、そうはならなかったと。

柴田さん:自分の趣味の部屋を作ったわけではないので、思いのほか自分ためのスペースがなかったというか・・・家族内の陣取り合戦に負けたというか・・・(笑)

結局、家で釣り道具を広げることはないなと気づいたので、仕事場に置いたまま楽しんでいます。

── ご家族共用の書斎は主にどなたが使っていらっしゃいますか?

柴田さん:主には子供たちですね。勉強部屋として使っています。私も使わせてもらっていますが(笑)

(LDKと連続した書斎コーナー)

最初に出されたプランに丸テーブルが書いてあった。

── インテリアでは丸テーブルとピンクのドロップチェアが印象的ですが、これは荒川からの提案ですか?それともインテリアコーディネーターの岡田の提案ですか?

柴田さん:インテリアの打合せで、岡田さんから家具はどうしましょうか、と聞かれた時に、妻が「丸テーブルでお願いします。」って言いまして。その理由が「荒川さんの図面にずっと丸テーブルが描いてあるから。」って。(笑)

(土地購入前の提案時に荒川が描いたスケッチ。)

荒川:なんとなく描いているわけではなくて(笑)空間的にそれがあっているというか、使い方として理にかなっているものをスケッチに落とし込んでいますね。

── 柴田さんがご自身で作りこまれる造作家具の部分と、インテリアコーディネーターの仕事の分担はどうされましたか?

柴田さん:いや、僕は本当に何もしていないです。使いたい材があったのでその要望だけですね。造作家具も荒川さんのイメージスケッチに描いてあったものを自分で図面を起こして・・・もちろん細部の検討はしますが、本当にスケッチそのままって感じです。

(荒川のイメージスケッチ)

(柴田様ご自身の詳細設計による造作家具)

── 荒川の図面に丸テーブルがずっと書かれていて、スケッチに造作家具が描かれていたのでそうなったと・・・。

柴田さん:ですね(笑)でも確かにこういう使い方がいいですね・・・という納得感がありました。

── 当初のご提案が、そのまま実際の建物になったという感じですか?

柴田さん:そうですね。ただ、ファーストプランは階段や1階の水回りの位置などがしっくりこなかったので、「こういう風に動きたい」と動線の希望をお伝えしたら、今のプランがポンと出てきたのでストレスがなかったです。平面的にはとてもシンプルな間取りですが、理にかなっていることはよくわかるので、大変満足しています。

好きなものを住まいに落とし込む

── 名古屋から東京においでいただいて打合せをする際の工夫はありましたか?

柴田さん:自分との下打合せは東京で何度かしていただきました。妻には住宅展示場を見に行って自分の好みを把握してもらうように言っていましたが、図面の理解には苦労していましたね。
ここでごはんを食べて・・それから・・・???みたいにどう動くのかわからないというか。でも僕があれこれ説明しても、うっとうしがられて聞いてくれないので(笑)

── 柴田さんご自身も、プロ目線の説明になっちゃいますもんね。

柴田さん:またはじまった・・・みたいな(笑)
荒川さんの図面やスケッチをテーブルに置いて、毎日ずーっと眺めて、自分なりに考えていたようです。ある瞬間「はっ」と図面の意味がわかったみたいで、いったん理解できるとかなりわくわくしていたようでした。

(アウトドアリビングにて 左:営業担当 生嶋 中:柴田様 右:荒川)

── 自分の好みを把握して、住まいに反映するというのは難しい作業だと思います。なにか奥様にアドバイスされたことはありますか?

柴田さん:「合う」「合わない」は別にして、とにかく好きなものの写真を集めておくように、インスタでもピンタレストでも、たくさん写真を見て、シンプルに好き嫌いだけで判断して好きなものをストックしておくようにアドバイスしました。
その時に「ちょっとちがうかな・・・」と思うものは、実は後ではまるかもしれないからあまり深く考えないでね、ということと、要望を無理に自分でまとめなくても、「好きだ」と思ったものを渡せば、荒川さん達がうまくまとめてくれるので大丈夫だよと(笑)

荒川:奥様のご要望についての柴田さんからの事前情報と、実際に奥様と話をしてみてのギャップはなかったですね。

柴田さん:妻は、岡田さんから提案されたインテリアがどストライクだったみたいですね。
インテリアの打合せの後で「なんであのひとは、あんなに私の好みがよくわかっているんだろう・・・次から次へとこれでいいと思うものがでてきたんだけど・・なんでかなあ・・・。」って感動していました。

── 柴田さんが奥様の気持ちをよくわかっていらっしゃって、良いアドバイスができたということですね。

柴田さん:「それは、みんなプロだからじゃない?」と答えておきましたが(笑)、岡田さんから出されるものがとにかく妻のど真ん中に入ってくる感じだったみたいです。
逆にインテリアについて僕はこうしたいというのは、妻にはほとんど何も言っていないんですよね。釣り竿くらいかな(笑)

── 床材のフレンチヘリンボーンは、打合せのどの段階で決定されましたか?

(木と木の留めが緩い角度で接合されたフレンチヘリンボーン。マルホンの草木染の素材を使い、更に全体が柔らかな印象になっている。)

柴田さん:初回のインテリア打合せのときですね。こちらからは、家全体も濃い色よりも明るい色調で、グレイッシュで落ち着いていて素材感があって・・・というワードがでていて、積極的な提案というより、実例のひとつとしてグレイッシュだったらこの感じはどうでしょうと、岡田さんからTDOの実例写真を見せてもらって、これいいですねという話になりました。
そこで、荒川さんがその場でスケッチを描いて、ヘリンボーンの模様も入れて、色も塗り込んで。その都度スケッチを描いてイメージを説明していただきながら打合せが進みました。

(打合せ時に荒川がその場で描いたスケッチ)

日々心地いいと思う

── お住まいになって2年ほどですが、お住まい心地はいかがですか

柴田さん:いいですよ。外の階段がゆるやかなアールを描いていて、蹴上も低くてストレスなく上がっていけて。外構は公園とか森の中に入っていくイメージ、ということは聞いていましたが、まあ実際は毎日そんなことを思いながら歩くことなんかないだろうと思っていました(笑)
ですが、夕方照明がついたなか、ぽんぽんぽんと階段を上がって帰るときに、「心地いいなあ」と日々思っています。

── 日々思う、って素敵ですね。

柴田さん:そうなんです。日々思います。

予想とちがったこと

── 実際にお住まいになって、予想と違ったことはありますか?

柴田さん:思った以上に静かでした。中も外もうるさくなかったです。
家の中で子供たちがおもちゃのカラオケで歌っていても、自分が家に入るまで気づかなかったり。想像以上に音はシャットアウトされていました。
こうしておけばよかったということで言えば、2階の洗面所にはなにがしかの暖房、パネルとかをいれておけばよかったなあと常々思います。でもそれくらいですね。
底冷えはしませんが、洗面所は北側なのでお風呂上りとか、冬の朝とかちょっと冷えますね。
あったまればそれが続くので、対策すればよかったなと思います。
あとは、洗濯ものをベランダに干さなくなったことですね。物干しのために作ったベランダだったんですけど、ガス乾燥機ばかり使っています。あまりに快適で、今はそれなしの洗濯は考えられないです。ベランダ、部屋にしちゃえばよかったな(笑)

── マンションからの住み替えでいらっしゃるので、一戸建てに住む生活で変化したことはありますか?

柴田さん:草抜きは大変です!夏場とか、暑いときにやることですし。
でも外回りは自分の好きにさせてもらったので、水やりと草抜きは自分の担当です。
雑草って不思議で、同じように緑色なんですけど、他の植栽とは色が違っていて、抜いてやると散髪に行った後みたいにこざっぱりしますね。苦行ですけど、ちゃんとやってます。
あとはやっぱりゴミ出しですかね・・・マンションではいつでもゴミが出せたので、処理について考えたことはなかったですが、これはまあ、慣れましたね。
それから、丁度コロナ禍での入居だったこともありますが、子供達が家にいる時間が圧倒的に多くなりました。これは多分コロナじゃなくてもそうなったように思います。子供部屋の他にも家のなかに居場所があるので満足しているようです。

荒川さんは問題点に答えを持っている

── TDOでへーベルハウスを検討される方にアドバイスをお願いします。

柴田さん:実は少し前に両親が実家を建て替えまして。前の家は工務店にお願いしたけど、今回はどこかハウスメーカーにしようと思うと相談されました。
僕がアドバイスしたのは、『たくさんの住宅展示場を見学する』ことと、『色々な営業や設計担当に会うべきだ』ということです。ハウスメーカーさんの場合は、住宅展示場で「こんにちは」とあいさつをした瞬間に、その人に担当が決まってしまうことがほとんどで、くじを引く訳じゃないですけど担当のあたりはずれが大きいと思うんです。
両親には、大きな目で見れば一流どころのハウスメーカーであればどこでもいい家ができると思うけど、その中で何件か回って、同じメーカーでも、自分に刺さる担当を探したほうがいいよ、と言いました。そういう自分に刺さる人は、要望の細かいところまで読み取ってくれて、プランに反映させてくれる確率が高いですし、車ならどこで買っても同じ商品かもしれませんが、住宅は同じメーカーでも、誰が関わったかによって全然ちがうものになってしまいますので。

(柴田様と荒川)

へーベルハウスは構造、耐震などの性能がいいことが決め手だという方も多いと思いますし、自分たちにとっても、それはとても重要な要素でしたが、家づくりってそれだけじゃなくて、人が大きくかかわるので、荒川さん達にお願いしたらきっと間違いないだろうと。自分の仕事を通じても信頼していましたし、妻も、日ごろの会話で荒川さんのことは知っていたので、安心してお任せできるとすんなりと納得できたようです。
皆さんには、安心して思っていることを言えて、それをうまくまとめてくれて、自分では想像していなかったことや、結果こちらのほうがよかった、というところに導いてもらえたと思います。
特に自分は仕事柄、へーベルハウスのいいところも、逆にそうではない部分も見聞きすることがありますが、荒川さんはそうした問題点について「こうしたらいい」という答えをもっていらっしゃるので全く心配はありませんでしたね。

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