CASE #48 麻生区の住宅
- 設計:
- 荒川 圭史
- インテリア:
- 山中 保佳
- 竣工:
- 2006年7月
- カテゴリ:

路地奥の敷地、いわゆる旗状敷地と言われるものですが、更に奥の住宅の路地が隣り合わせになっているため、この部分にはお互いに境界に何も建てないという約束で広く使えるようになっています。 たまにこういった形でうまくいっている例を見かけますが、このように通路を二つあるいは三つ合せたようなスペースを共通の庭として扱っていけると、街並みの作り方の可能性が広がっていくと思います。

南側です。道路に面しているように見えますが、ここもやはり通路です。再開発でもされないかぎり通路のままと考えられますので、それを前提として計画しています。 吹き抜け上部の南側と東側に90cm巾の大きなFIXガラスを入れています。南面には定石とおり夏の熱取得が大きくなり過ぎないように、庇を出しています。吹き抜けの気持ちよさを維持するには、重要なことです。 ヘーベルハウスでこの巾のFIX窓を使い始めたのは比較的最近のことなので、新鮮な感じを受けました。

2階のダイニングが生活の中心になりそうですが、1階のリビングとは吹き抜けを介してつながっています。これによって、家中が一空間のような建物となっています。

リビングから上部を見上げたところです。吹き抜けの窓越しに空が見えています。

笠木の左がわは子供達のスペース。吹き抜け奥がダイニング、更に奥がキッチンで下はリビングです。ダイニングから子供達のスペースに入るところは引き戸があるのですが、奥まで来ると、吹き抜けを介してダイニング、リビングと一空間になっています。

キッチンからダイニング越しに吹き抜け方向を見たところです。屋上に上がる階段の下の穴の奥が子供達のスペースです。

どこにいても視線がとおります。

小さな話ですが、窓を開ける位置は周囲の状況を最優先で考えています。 この窓が右にずれると緑でなく隣家が視線に入ってきてしまいます。

玄関ホールはなしで、框の上に冬の断熱目的で引き戸を設けているだけなので玄関が狭くならずに済んでいます。 正面の窓は防犯目的で、高いところに設けています。夏はここを開け放しておくことで、リビングの窓との間で南北にかぜがとおります。

玄関から南側を見たところです。前の写真の玄関とつながり、建物の南北の全奥行が感じられます。 ここがリビングということになっていますがグランドピアノとエレピを置いて奥様がここでピアノを教えることになりそうです。 奥の右側が一応主寝室という想定ですが、その辺も割とルーズにお考えのようです。

床受けの梁の処理は当初クロス仕上げとしていましたが、上に埃がたまると落ちにくいということで、木の笠木をつけようという話になりましたが、大きくなりすぎてしまうので、ペイント仕上げとしました。これでよかったと思います。

道路の向こう側はよみうりランドからつながる林になっていて、屋上からは、良く見えます。

熱源はガスですが、電気もガスで作ります。今回始めて使いました。しばらくしたら使ってみた感想をお客様から聞いて見たいと思っています。











