TOKYO DESIGN OFFICEの荒川です
4月号の住宅特集に風景と光の受け止め方というタイトルで室内窓が生み出す住空間
の特集が組まれていました。
先日行われた社内の設計コンペで最優秀賞
をとなった松本さんの住宅でも「うちまど」とい
う表現をしていましたが、室内窓を有効に使っ
ていました。
最近頓に建具でなく孔という捉え方で二つ
以上の空間をつなげたり、仕切ったりするも
のが目に付くようになった気がします。
私がこういう傾向を意識するようになったのは、
「くうねるところにすむところ」という家の絵本の
シリーズの第二弾、妹島和世さんの物語りの
ある家を見たときでした。
梅林の家という住宅の話なのですが、
小さな小屋が鉄板で出来た孔でが
つながっている住宅の話です。
このシリーズ他にもたくさんあって
窓のことを意識させられるようなものが
他にも二つあります。
ひとつはこれ。阿部勤さんの中心のある家、
もうひとつは千葉学さんの窓のある家です。
阿部さんの「中心のある家」は阿部さんの
自邸ですが、入れ子になった構成で、こう
いった構成の住宅もずいぶん多い気がし
ます。額縁の向こうに別の空間が広がって
いるという見え方です。つながり方はは
室内窓と同じだと思います。
そこを介して次の空間に直接移動できるか
どうかは大きな違いだったりしますが。
住宅特集の特集記事の中で理科大の
奥田先生がアドルフロースのラウムプラン
に言及されていますが、
商品企画の工藤さんの影響もあって、
私自身も新宿モデルの計画ではラウムプランを
意識した空間のつながり方の検討をしていました。
ロースの本は結構絶版になっていますが、
中野区の中央図書館(杉並中央だったかも知
れません)にはたくさんそろっていました。
窓のある家では千葉学さんが、こういう話をと
てもわかりやすく説明してくれています。
奥田先生も書いている通り、いまどきの家族関係
にうまく対応していく手法として、室内窓が自然に
受け入れられているのだと思います。こういう状況
を簡単にまとめてみました。
このような手法で作ったTOKYO DESIGN OFFICEで計画したも住宅を
いくつかご紹介します。
先ほどもふれたように新宿モデルは建具を介さずに空間が連続する部位を
光の量や壁の厚み、孔の大きさ、室内のミドリで調整しています。
圧迫感がありそうな入り隅を抜いていくようなことも、良くあるやり方です。
池上の住宅では吹き抜けに面して孔を開け、階下の空間とつなげたり、
吹き抜けの向こうの窓から外が見えるような状況を作ったりしています。
さらにそこに建具をかぶせるような作り方もすることもあります。
二子玉川の街かどへーベルでも同じことをやっています。