TOKYO DESIGN OFFICEの荒川です
準備もほぼ終わり、いよいよ明後日外ご飯体験会となりましたが今回は、先日伺った
若林先生のサロンboa mesaとキッチンの話をしたいと思います。
玄関を開けるとどーんと屋根裏全体を吹き抜けにした大きな空間が目の前に広がります。
天井が木の仕上げになっていて入った瞬間圧倒される感覚と癒されるという二つの相反
する感覚が同時に湧き上がってくる感覚です。
全体の空間は大きな寄棟の屋根に覆われた安定感のある非常に居心地の良い大空間
なのです。頂部から外壁に向かって吹き降ろしてくる天井が壁際では2mくらいまで下りて
きます。低い部分は圧迫感を感じるということはまったくなく、逆に親しみを感じます。
親近感を感じる大きな要因は天井の仕上げ材にあると思います。ウエスタンレッドシダー
だと思います。KAMATA modelの天井に使ったのと同じ樹種です。とてもきれいです。
もうひとつは室内にも緑がたくさんレイアウトされていることです。
ここまで見ていて、これって今回浜田山もデルでやっていることと、ほとんど同じだという
ことに気づきはじめました。
天井の高い大きなLDと機能的に天井高を抑えたキッチン周りの対比も非常に小気味よい
リズムになっています。
ルイスカーン風に言うとserved space(奉仕される空間)とservant space(奉仕する空間)
ということになりかも知れません。普通、二種類の空間にヒエラルキーがあり、どちらかが
上位にくるということが多いと思いますが、若林さんにとっては、どちらも非常に重要で大切
な空間なんだとおもいます。
浜田山モデルを見ていただいたとき、とても気もちがいい家だと評価していただいたのです
が、唯一キッチンに関してはこれでは使いにくいという厳しい評価でした。ご自宅を拝見し
て、その両方の意味がわかったような気がしました。
このスケッチを見るように若林さんのサロンは奉仕される空間であるダイニングと奉仕する
空間であるキッチンがともに約9.5帖くらいの正方形であることがわかります。
収納を含め、これくらい奉仕する空間の比重を大きくとっていることが、このキッチン
このサロンが快適である秘密なんだとわかりました。
奉仕する空間は非常に機能的に出来ています。
帰り際、あらためて天井高の切り替えと、機能的な切り替えが非常に素直な形で表現され
ていると感じました。
非常に人気のサロンに、こんな形でうかがえてとてもラッキーでした。