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チークの床

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建材紹介

TOKYO DESIGN OFFICEの荒川です。

先日弊社のホームサービス課の担当から、床の無垢材が縮んですごい隙間が

開いてしまっています。とかなり深刻な感じの連絡を受けました。

 

圧縮.JPGもともと無垢のフローリングに床暖房をしているので、当然素材そのものの

伸び縮みはあり、採用いただく場合はそのあたりの話をした上で、それで

も質感に対する価値を感じていただけた方には無垢材をお勧めしています。

ですから、それほど心配はしていなかったのですが、一度お客様からも相談を

受けていた話でもあり、写真を見ると確かに隙間も大きく何か改善する必要は

ありそうでした。

無垢材の持つ見た目の印象やその素材から感じられる豊かさのようなものは

合板のフローリングとは比較のしようもなく、別の材料と考えたほうがいいくらい

ではないかと思います。特に合板のフローリングではオイル仕上にはしようもなく、

ウレタン仕上げが前提になりますので、その違いは一目瞭然です。

 

 

IMGP7716.JPG

 

 

最近は全消しとか全全消しというような艶消し塗装もあるようで、こういうものを使う

と状況は変わりそうですが、塗装仕上げに関しての話はまた機会があればしたい

と思います。

ハードコーティングをしたものを使わず、縮んで隙間が開いたり、こぼれたワインが

浸み込んでしまうようなものを何故わざわざ使うのかと考える方も多いと思います。

それでも自然な表情を持ったものをどうしても使いたいという方もいると思います。

こういう話は住宅そのものの考え方にも及ぶ話で、どちらが正しいというようなもの

ではないと思いますので、自分の考え方にフィットするものを選んでいけばよいと

思います。

24時間空調の入った魔法瓶の中のような一年中安定した均質な空気環境の空間

を求めるのか、自然のかぜを感じることの出来る空間を求めるのかの差に近いよう

な話かも知れません。


ただ、合板のフローリングに自然な風合いを求めたり、無垢の床材に極端な寸法

の安定性を要求したりというような、矛盾した要求をしなければいいのだと思います。

三層無垢材という無垢と合板の中間のような材料を使うという選択肢もありえますが

多少コストがかかります。

無垢材だからとはいえ、狂いは少ないほうがいいのは間違いなく、今回開いてし

まった隙間を少しでも改善する方法があるのか、そもそも冬の乾燥と床暖房の熱に

よる縮みは床暖房の使用がなくなる春になると元に戻るのか。隙間の補修はどう

すればいいのか。

ここは専門家に任せたほうがいいので、床材を納品してもらったミャンマーチーク

販売株式会社の松田さんと一緒にお客様のところへ行くことにしました。

今回問題になった隙間はピーク時で4~5mmくらいありましたが、今回ノギスで

正確に測ると5mmを超えていました。松田さんの話によると、床暖房をしなくなると

ある程度元の寸法に戻るようですが、全部の部材のひずみがここに集中しており、

ここまでの隙は完全には元に戻らないということでした。

ミャンマーチークさんとしては、この状況に対してまったくあわてた様子もなく、

今後どのような対応をすればいいのかを説明してくれました。

床材の収縮は毎年起こるのですが、床暖房を2シーズン経過す

ると、寸法が安定してくるという話でした知リませんでした。

ですから今の段階で硬いもので、隙間を埋めたりするような、最終的な対応をして

しまうと寸法が戻ったときに膨らんでしまうというような事態も起こりえるわけで、

最終的な対応は来年の夏にすることにしたのですが、現状で隙間にほこりが入った

りしても困るので、暫定的にクリアの充填材を入れるという対応だけは今の段階で

しておくという話になり、お客様にも納得していただきました。

今回は施工もミャンマーチーク販売さんがやっていたので、そのメンテナンスは

責任を持って対応していただけるという話でした。

今日松田さんからメールが届き、充填材を入れる工事が完了したという報告と一緒に

写真が送られてきました。

クリアのコーキングが充填されていました。写真を見る限り違和感はないと思いまし

たが、一度現物を確認してきます。

 

施工後.jpgミャンマーチーク販売さんは、買い付けからすべて自社で行い、商品に対する責任

と愛情が感じられ、今回施工後の写真が送られてきたことも含め、施工したものに

対しての責任を持つという姿勢にはとても良い印象を持つことが出来ました。

われわれもヘーベルハウスに対して、お客様からこのように感じていただけるような

仕事がしたいと思います。

 

松田さんから聞いた話でもうひとつ知らなかったことがありました。

本チークといわれているミャンマーチークですが、ミャンマーということで当然熱帯の

ジャングルに生えているという浅はかなイメージを持ってしまっていたのですが、

実際はミャンマーでも高地のどちらかといえば冬は寒い寒暖の差が激しい場所に

生えてるということでした。

また今でも一番良い部分は船の材料になってしまい、建築にまわってくるのはその

残りということでした。

 

やはり扱う材料のことを知って上で使うということが基本だということをあらためて

認識させられました。

 

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