TOKYO DESIGN OFFICEの荒川です
先日練馬区の集合住宅の紹介をしましたが、オープンハウスをさせて
いただくことになりました。
近いうちにイベントブログで詳細をお伝えすると思いますが9月12日(日)の
午後に開催する予定です。
1・2階に1Kが7戸3階が自宅の計画です。アパート併用住宅に興味がある方、
共同住宅でなくともTOKYO DESIGN OFFICEが手がけた住宅に興味がある方、
ぜひお問い合わせ下さい。
この規模の共同住宅にはこの規模に見合ったエントランスのたたずまいがあると
思います。大きすぎず、派手すぎず、ちょうど良い大きさで帰ってきたときにほっと
するようなエントランスを作りたいと思っています。
この計画では、共用玄関は控えめにちょっと広めに、二階の外廊下もちょっと広め
に、ちょうど良い明るさで、向かいの共同住宅のベランダからの視線も気にならない
ように光を取り込んでいます。
建物が雁行していくので、アパート住戸の間口と奥行きは場所によって変化してい
きます。端から順番に見ていくのも面白いと思います。一番奥行きの長い住戸は入った
瞬間、2LDKくらいのマンションと錯覚するようなくらいの距離を感じます。
こういう計画の場合、1階から3階まで一気に上る自宅部の階段が退屈でいやな空間に
なリがちですが、窓の工夫でそうならないようにしています。
新宿modelの計画をして以来のことですが、ある部分の天井を下げて壁と一体化し
空間を分節したり、そこに間接照明やエアコンを仕組んで天井面や壁をきれいに仕上げ
るような努力をここでもしています。
西武線がすぐ脇を走っているので、窓はすべて二重サッシとしているのですが、
窓を開けるとかなりの勢いでかぜが抜けていきます。線路部分は障害物がない
のでかぜの抜けが良いのかも知れません。夕方は多少気温も下がるので、これ
だけかぜが入ると、かなり涼しい感じがします。
今回も腰壁の高さの引き戸を使っています。
お客さまやインテリアコーディネーターの秋田と検討を重ねた和室も良い感じに仕上がっ
ています。造作的にはもはや和室とは呼べないような空間ですが、リビングに隣接し、
ちょっと逃げ込める、落ち着きのある居心地の良いミニマルな畳の空間になりました。
吊押入れの下においてあるスタンドはジャスパーモリソンのGLO-BALLです。和のテイスト
にもしっくりなじみます。
お客さまが知り合いのかたから頂いた備前焼きのタイルを外壁の装飾に使い、
同じタイルで表札も作りました。
この場所にはもともと20年前に立てたヘーベルハウスが建っていたのですが、西武線の
高架工事に伴い敷地の一部が線路にかかってしまったので、一部土地を買い足して
新しい敷地にあわせて今回新たにヘーベルハウスを建て直しました。もとのヘーベル
ハウスについていた館名プレートの文字をそのままトレースし大きなガラスにエッチング
加工し20年間の思い出を新たな館名プレートに残しました。
お客さまの好みを建物に埋め込んだり、記憶を形にするようなお手伝いも出来て私自身
も楽しむことが出来ました。
なんか最後はビフォーアフターの匠からの贈り物みたいになってしまいましたが、今回の
作業を通じて、こういうことも大切だと感じました。
オープンハウスは9月12日(日)PMです。