TOKYO DESIGN OFFICEの荒川です
去年に引き続き、今年も年に一度の合宿を京都で行いました。今年もかなり熱の
入った議論が長時間続きました。夜になるとさらに議論がヒートアップ。でしたが
あくる日はちょっと一休みで、京都見学です。清水は高校のときに修学旅行で見た
きりだったし、京都タワーはそもそも入ったことがなく、いってみました。
日常の住宅の設計では、ウッドデッキは樹脂のデッキでなく無垢の木のデッキ材を
使いたいのですが、お客さまからはメンテナンスが面倒だと年中言われているので、
清水の舞台は一体どうなっているのかを確認してみたいとずっと思っていました。
床の厚みは大体10cmくらいでした。やはりヒノキ材なのでしょうか。舞台を支えて
いる梁には、屋根のようなものが付いていて、雨が直接かかるのを防いでいるのか、
鳥が止まらないようにしているのか、ただ確かにこうすることで、持ちが違うんだろうと
思いました。まだ結構もみじも残っていて、真っ赤な海に浮いているような清水の舞台
を体験することが出来ました。朝乗ったタクシーの運転手さんの話によると、もみじ
の赤は女性を連想する色なので、京都ではお坊さんの修行の邪魔になるというこ
とで、京都でもみじや桜が植えられる様になったのは、日露戦争後だというにわか
に信じがたい話をききました。どなたか詳しいことを知っている方はお教え下さい。
清水にずいぶん長居をしましたが、その後、清水坂、産寧坂、二年坂を降り、高台
寺へ向かいました。高台寺ではかなり存在感のある茶室を三つ見ることが出来ました。
ちょっと異様なスケール感漂う遺芳庵と、時雨邸という名前に引かれ学生時代に実物は
見たこともないのに、課題のタイトルに名前を引用した時雨邸。以前から一度みたいと
思っていた利休の意匠による傘邸と時雨邸を見ることが出来ました。
重文ですが、そっけなく建っていました。傘邸と土間でつながっていることで魅力が
倍増している感じなのですが、もともとは別々の場所にあったという話でした。
時雨邸は船で1階に着きそこから二階に上がるという構成だったようです。いかにも
楽しげな感じです。
文字が浮きぼられた本瓦葺きの丸瓦、存在感がありました。
マニ車というようですが、時計回りにまわすとお経を読んだのと同様のご利益がある
うようです。
最後に京都タワーに言ってみました。この看板の文字にマツオさんがかなり反応して
いました。昭和40年台という感じで、なんとなくケロリンとか書いてありそうです。若い
人はわからないですよね。
大学のころどうも塔の上は時間が止まっていると感じ、エッフェル塔もやはりとまってい
たので、自分の中で塔の法則と勝手に名前をつけていたのですが、京都タワーも裏切
りませんでした。ちょっと期待していた金文字で京都タワーと書いたペナントは売ってい
ませんでしたが。
こんな意匠が万博とかを彷彿させます。
望遠鏡で見たら非公開の西本願寺の飛雲閣が見えました。
ここも一度みてみたいのですが東京にいるわれわれとしては、何時開催されるかわから
ない、特別公開のときに行くのは至難の技ですね。まだまだ見たいものでいっぱいな
京都でした。