TOKYO DESIGN OFFICE の岩井です。
私も京都で行われた研修後の様子を紹介します。
研修を月曜日一日ホテルに缶詰で行いました。
皆で京都迄行っているのに、二日目以降は個人プレーです。
A型の私としては一緒に行動すれば良いのにと思いながら、見たいものは人それぞれだからとでもいうように、決して
人に迎合しない
という人のあつまりであるTDOのスタイルなのでしょう。
そういう私も、妻を呼んで別行動とすることにしました。
今年はクリスマスももう間近という中で、紅葉もないですが,
今年のような夏が暑く秋を通り越して冷えこんだ年は特に紅葉がキレイだったそうで、初日に乗ったタクシーの運転手の話でなんとかまだ残っている場所に行きました。
それは北野天満宮・・・
すっかり紅葉が終わっていますね。汗
ではなく、そこから入って脇にある「御土居(おどい)」とよばれるところ。
まだ見頃な紅葉がありました!
受付の人いわく、遅咲きの種類だということでした。
ここは、豊臣秀吉が外敵から守るために京都市街の周囲に巡らせた土塁が残っていて、
洛中と洛外の境界にあたるそうです。
写真右手の小高いところが土塁を盛ったところで、
低いところにはお濠のようになっていて、そこを散策できます。
しかしものすごい土木工事です。
外敵から守るといってもお城でなく街を丸ごと囲うわけですから日本ではあまり見ません。
権力者のよほどの強制力なんでしょうね。
最後に入場チケットでお茶とお菓子がいただけます。
600円はけっして高くないです。
紅葉のピークを過ぎて訪れるにはぜひおすすめ。
紅葉が赤なので、敷物は藍色。コントラストがきれいでした。
次にバスで向かったのは、
南禅寺、
なのですがお昼を過ぎ、まずは参道にあるお豆腐屋さんに入りました。
今年は(も?)庭園巡りをしようと思っていました。
参考にしたのはPHAIDON社「THE GARDEN BOOK」
世界中の庭園が紹介されていて、見ていると旅行に行きたくなります。
京都のお庭も多く載っています。今回はその中でまだ行った事がないところが中心です。
最初は南禅寺塔頭にある金地院。
徳川家康にゆかりがあり、奥には東照宮という霊廟もありました。
作庭は小堀遠州。
鶴石と亀石がいます。
山水の豪壮な禅庭でした。
次にようやく南禅寺、
山門です。
東大寺の南大門が日本最大といわれますが、
黒色と化した木の固まりの様相と両脇に下屋をもち二層になった大きさに圧倒され私はこちらの方が好きです。
ヒノキでしょうか、一本丸太が太い!です。
そのあと、錦小路まで歩いてすっかり暗くなりましたが、
夕食は、町家を改装した French 「o.mo.ya」さんでいただきました。
当時からあったと思われる中庭脇の席でした。
小さな中庭でしたが、これがあるとないとでは大違い。ライトアップされていい雰囲気でした。
もちろんお食事もおいしかったです。
次の日は天気もよくなり、全日空ホテルの窓から二条城の白い壁がきれいに見えました。
またその向こうには山並みが見え京都が盆地になっている事がわかります。
今日は醍醐寺を目指して南下します。
二条駅から地下鉄東西線で26分。京都中心部を離れると、醍醐の駅前はこんな感じの新興住宅地でした。
高層マンション群のあとは建て売り風のこのような住宅地。
首都圏で見慣れているのとほとんど変わらない景観です。
意外でしたが、たしかに京都といっても人口を収容するためにはこのようなエリアがあるのでしょう。
ここを抜けて10分強歩くとやっと着きました、醍醐寺。
入り口脇には見事な枝垂の梅の木です。
目指したのは、まず入り口脇にある「三宝院」
内部の庭園を見に来ました。
残念ながら庭園は撮影禁止で写真がありません。
「The Garden Book」によると、作庭者「豊臣秀吉」でエントリーされています。
庭園内に作られた滝から池となり鶴と亀の島が浮かんでいます。各地からかき集められたという名石に枯山水まで、「なんでもあり」の分かり易い良さがありました。
唐門という貴賓を招くための門が今年復元塗装されていました。当時このようだったのでしょう。派手好きの秀吉らしい装飾です。
ここから西大門をくぐると醍醐寺参道につながります。
中には五重塔があったり、
方形屋根のきれいな大講堂とか、
ここは池に映る弁天堂、ギリギリ紅葉が見れましたが、
このお寺は広い境内に建物がパラパラと配置されそれぞれに絡みがないためとても大あじな印象でした。
この池あたりまでが下醍醐といわれ、ここから約1時間山を登ると西国33観音霊場の札所などのある上醍醐と呼ばれるエリアがあるというとてつもなく広いお寺でした。時間の関係で今日はここまで。
もどる途中見つけたきれいな紅葉ですが、近くで見たらこれはドウダンツツジでした。
たしかに紅葉がとてもきれいなドウダンツツジですが、ほとんどはこういう形で植え込みにします。
刈り込みをせず、大きく仕立てるときれいな樹形になるんですね。
次は電車を乗り継ぎ、宇治に行きました。
まず宇治茶のお店で、このお店も旧来の町家造りの表ですが、中庭を越えるとガラス張りの新しい建物があってお昼はそこで茶そばをいただきました。
そして宇治といえば、もちろん平等院に来ました。
天気がよく紅葉がきれいでした。
修学旅行以来です。ほとんど覚えていませんでしたが、最初に見える鳳凰堂はこのような横面なんですね。
大鳥、鳳凰が翼を広げているといわれる形、翼から右方向がしっぽの位置ですか。
建立当時からこういう順路だったのでしょうか。
横幅のある鳳凰堂ですが、タテ位置で水面に映るきれいなカットが撮れました。
順路に鳳翔殿という現代建築の宝物殿が入っていて、出口にこれがあります。ちょうど一年前に荒川が載せているカットですね。
日本建築の庭と建物の関係を表現しています。圧倒的に明るい庭を眺めつつ、長い庇によって内部には奥に来るまで何度も反射した光が少しだけ入ってきます。まさに陰影礼賛です。