TOKYO DESIGN OFFICEの荒川です
先週は納谷さんのOHに引き続きアトリエ天工人の設計による住宅も見ることが
できました。
アトリエ天工人の山下さんはとにかくエネルギシュな方で、いろいろなことに取り組んで
おられますが、この日も土プロジェクトという土を構造体とした建築の取り組みにつ
いての話を聞かせてくれました。とても興味深い面白そうなプロジェクトです。
今回見せていただいたの住宅は、建築家シリーズというプロジェクトで、三菱地所ホー
ムと天工人とのコラボレーションで建築家のデザイン力とメーカーの施工する安心感の
両方を手に入れたいという要望を持った方をターゲットにしているようです。
ってどこかで聞いたような話ですが、この考え方の根っこの部分はTOKYO DESIGN
OFFICEのコンセプトと同じなんですが、やっていることはかなり違うようです。
今回の天工人と三菱地所ホームの建築家シリーズの住宅は、計画面でのコラボレー
ションという印象はほとんどなく、たまたま三菱地所ホームが天工人の設計した住宅の
施工を行っているような印象で、アフターサービス等の安心感やブランド力があれば必
ずしも三菱地所ホームでなくともよいのではないかという印象はぬぐえませんでした。
ただシステムとして、家を建てようと考えている人達が直接建築家に相談するよりも、
とりあえず三菱地所ホームに相談したうえで、どんな建築家がパートナーとして相応し
いのかをアドバイスしてもらえるという意味で住宅を建てる新しい選択肢になるのだと
思います。ミサワホームのAプロジェクトというシステムも同じような形で建築家を紹介し
ているようです。こういう仕組み自体は以前からOZONEなどで行われており、そうい
った建築家紹介システムとの違いが明確になっていかないと今回のような取り組みが
世の中に受け入れられて広がっていくことも難しいのかもしれません。
TOKYO DESIGN OFFICEでも、やはり住宅メーカーの安心感とデザイン力の両立
を目指して設計のプロセスを営業中心の従来の住宅メーカーの仕組とは変えています。
計画面ではデザイナー主導で、資金計画や住宅建築に関わるその他もろもろの問題
は営業がそれぞれ丁寧にお客様との打ち合わせを進めていくスタイルをとっています。
従ってTOKYO DESIGN OFFICEで作っている住宅は今回紹介した三菱地所ホー
ムの建築家シリーズやミサワホームのAプロジェクトとは異なり、作っているものはあ
くまでヘーベルハウスそのものであり、設計しているのは私のようなインハウスの
デザイナーで、その基本的な性能はそのままに、多少手を加えていくことで、より
快適で美しい空間や形の実現を追及しています。
今後住宅の着工数もだんだん減っていくと考えられる状況の中で、天工人の山下さん
もメーカーや事務所の再編のようなこともあるんじゃないかというような話をされていま
したが、今まであまり交流のなかったメーカーと建築家やメーカー間の交流も少しづつ
広がっていくのではないかと思っています。
前段がかなり長くなってしまいましたが、今回見せていただいた住宅を少し紹介させ
ていただきます。
電気メーターって室内に設けることもできるんですね。知りませんでした。何か特別な申請
の仕方があるのかもしれません。
笠木のデザインもきれいです。照明の計画は特に特別なことはしていませんが気になるよう
なこともなく、やはり寸止め的な感覚なのかもしれません。
常時換気の給気口を下のほうに付けることはよくありますが、これはもう床ぎりぎりです。
吉村一体どこにいるんだと思ったら
こうなっていましたか。これはかなり衝撃的でした。気持よさそうです。居住空間は向か
い側の公園の緑をとりこんだすごく気持ちのよい空間が広がっていました。