TOKYO DESIGN OFFICEの荒川です
先週はたくさんの住宅を見る機会に恵まれました。納谷さんの奥沢の住宅を見た後、
渋谷支店の野田君の設計した世田谷の住宅を見に行きました。お客さまはわれわれ
のHP等も見ていただいていたようで、階段手摺や、窓枠や巾木などSDOセレクトと
して紹介させていただいていた部材もいくつか採用していただいていました。スイッチ
や照明計画にもかなりのこだわって作った跡が見えていました。この住宅の外観を見
ながら吉村君と「やはり今の仕様のキュービックはきれいだよね。以前はノイズを消す
のが大変だったね」という話をしていました。今回ディテールをいろいろ変更して、ここ
まで仕上げるのに、野田君もだいぶ苦労したのだろうと思います。もう少し楽にきれい
に出来るような仕組みが作れればといいと考えています。おそらく一番の見せ所であ
ったであろうペントハウス部の吹き抜けはまだ養生中で見ることが出来なかったのが
残念でした。
KAMATA modelや用賀モデル、浜田山モデルの計画で、インテリアセンターの小野
さんと床、壁、天井の仕上げ、手摺や笠置、窓枠など造作材等もいろいろと検討して
きましたが、もう一度あらためて TOKYO DESIGN OFFICEセレクションとして価格等
もわかりやすくまとめ直そうと思っています。マルホンさんや内藤家具さん等の
協力などもあり今までより低価格で質の高い材料が選べるようになると思います。
またそれにあわせ、打ち合わせのプロセス自体も少し変えていきたいと考えています。
通常住宅メーカーの仕事の仕組みは、窓口は営業、プランというか間取りの打ち合わせ
も営業、でたまに設計も参加する。インテリアの打ち合わせは専任のインテリアコー
ディネーターが担当します。というスタイルが一般的だと思いますが、もともと建築家が
住宅の設計をする場合は、全ての事を建築家がやっているわけで、
営業-設計-インテリアコーディネーターという線引きも住宅メーカー独自の業務区分
だと思います。このスタイルの良い点もたくさんあるのですが、たとえば、昼と夜で空間
をデザインをする担当が変わってしまっているというような点はおかしな習慣だと思って
います。昼間、光やかぜや景色を取り込む開口のデザインは設計や営業が行い、夜の
空間を成立させる照明の光はインテリアコーディネーターがやっています。吉村順三さん
がほしいのは光であって照明器具ではないというようなことを書いていますが、まさにそ
の通りで、設計は間取を考えるのではなく住宅の空間を通して自然光や照明の光を
デザインするべきと思っています。よくTOKYO DESIGN OFFICEとそうでない支店で
何が違うのかという質問を受けますが、TOKYO DESIGN OFFICEでは光をデザイン
するという認識で、インテリアのある分野までデザイナーが一貫して丁寧に打ち合わせ
ているという点も、他のヘーベルハウスの支店との大きな違いではないかと考えていま
す。
今日も笹塚のインテリアセンターでこんな絵を描きながら配灯計画を考えつつプランの打ち
合わせをしてきました。建築家の進め方とも普通の住宅メーカーのそれとも違うTOKYO
DESIGN OFFICEとしての設計の進め方の考え方がようやく見えてきたような気がして
います。