TOKYO DESIGN OFFICEの荒川です
エアコンの室内機をルーバーの中に隠したり、スイッチを少しだけ低い位置
につけて視線に入りにくくしたり、給湯器や床暖房のコントローーなどを不
自由しない範囲で見えないところに設けたり、機能さえ果たしてくれれば
本体は見えていないほうが良いものはたくさんあります。こういう小さなこと
を積み重ねていくと非常にすっきりとした気持ちの良い空間ができあがって
いきます。よくノイズを消すというようないいかたをしています。当然それだ
けでできあがるわけではありませんが、かなり大きな効果が期待できます。
屋外というか、街並みでもまったく同じようなことが成り立ちます。昨年末
TOKYO DESIGN OFFICEで京都に研修に行った時に清水寺周辺で気
になった物をいくつかご紹介します。
ここは店舗で何台も並ぶ室外機を犬やらいの中に隠してありました。
こちらは一台分のみ、明らかにそこに室外機があるのもわかるし、結構わざとら
しい隠し方をしているのですが、 なじんでいます。
地面の上だけでなく庇の上でも
塀の中も
ガスメーターも
これもガスメーターでしょうか。以前おたがいさまハウスでもこんなことしましたが。
うって変わってこちらは 東京、二子玉川の柳小路です。このあたり飲食店やちょっと
きれいなお店がたくさんありますが、それだけでなく街路そのものがきれいです。新
しくできたお店だけでなく、木造賃貸アパートなども混在しているのですが、ちょっと
したことでこんなに雰囲気が変わるんだということが良くわかります。京都で見たこと
と同じことをやっています。
何のへんてつ もないアパートというかお世辞にもきれいとは言えない景色なので
すが、室外機を京都のように隠すだけ、実際には路面の石の仕上げもかなり効い
ているのですが、ずいぶん雰囲気が変わります。
同じアパートのもう一方の街路側ですが、塀をコンクリートブロックではなく板塀に
し照明器具を向かい側の店舗と合わせることで、街全体が同じ雰囲気の街路に
なっていきます。
これだけのことなんですが、これだけのことをやっていない状態を想像するとず
いぶんひどいことになってしまうんだと思います。柳小路が公な協定とかがあ
るのか、自主的にやっているのか、商店街が音頭をとっているのかは調べてい
ないのでわかりませんが、もっといろいろな場所で自主的に同じようなことをし
ていくと、東京の街ももう少しきれいになって行くのだと思います。
これは柳小路のすぐ近くにある街かどへーベルハウスですがアルミのフェンス
などがなくノイズを出していない分街になじんでいます。住宅街でも同じように
すればいいだけだと思うのですが、実際の街を歩くとノイズが隠しきれないこと
が多いようです。