東京デザインオフィスの荒川です
先日15日、第三回SSA研修が行われました。初めてご覧になる方のために、
SSAは主任設計士アカデミーの略で、主任設計士というのは旭化成ホームズの
設計の資格制度のようなもので、普通の設計担当よりちょっとだけ設計がうまい
ということになっている人たちのことです。
前日の大雪と一転し、当日は快晴。光が雪に反射してとてもきれいな光に満ちてい
ました。
この日のSSAは今までの1、2回とはうって変わり、ゲストに建築家の伊礼智先生を
お招きし、お施主様の御厚意にも甘えて、守屋の家を実際に見学せていただいた後
先生のお話をお聞きし、最後に8人のへーベルハウスの設計担当が先生を含む参加
者に実例をプレゼンし評価をいただくという盛りだくさんな企画でした。
研修後の懇親会では80人近くの参加者が、あちらこちらのテーブル上で住宅談義に
花を咲かせていました。
守屋の家の玄関は内も外も床仕上げはテラコッタを使っていました。テラコッタ風の
タイルと違って本物のテラコッタはやはり暖かな存在感があります。以前一度だけ
小さな中庭に使ったことがあるのですが、正直玄関のように人の出入りが激しい部
位での使用は避けていました。伊礼さんにお聞きしたところ、何年か前から使用して
いるが、特に問題は起きていないという話でした。
テラコッタはほぼ輸入品だと思いますが、代理店によって外部の使用が○だったり
×だったりはっきりしない部分があります。通常外部での使用に当たっては、ワック
スを塗って使用するのですが、伊礼さんがいつも使っているのは内も外もあらかじめ
撥水処理がされているイタリア製のものという話でした。こんな感じに仕上がります。
きれいです。白木に近い風合いの家具との相性も抜群だと思います。今度は自信を
持ってお客さまにお勧め出来るとと思います。
ダイニングでは壁や天井の仕上げに関していろいろとお聞きしました。壁は新宿
modelでも使った薩摩中霧島壁という材料で、この色だしは伊礼さんが行ったもの
だそうです。そういえば新宿もこんな色です。天井はビーナスコートの吹きつけ仕上
げということでした。こちらは浜田山modelと同じ仕上げ材でした。
今回は懇親会も含め時間がたっぷりあったのでいろいろと伺うことが出来ました。
一つ疑問に思っていたことを聞いてみました。
何でそんなにたくさん作るのかと思うほどたくさんの模型を作ってスタディする事務所
もあるようですが、伊礼さんのところでは模型はあまりたくさんは作らないそうです。
おそらく今までなかったものを何とか作り出したいということをやっているところと、あ
る程度標準化を進めて、普遍的な気持ちのよさを追求していこうとしているところの差
がはっきり出ているのだろうと感じました。その話を聞いて、東京デザインオフィスはさ
らにシステム化された住宅を作っているので、模型はそんなにたくさんは作る必要は
ないんだなとあらためて感じました。
懇親会で左側に座っているのが伊礼さん、隣は私です。左にたっているのは今回中心
になって切り盛りしていただいた真中さん。おつかれさまでした。著名な建築家の方と
こんなに長時間遠慮なく話が出来る機会はそうそうないので、みな伊礼さんの話に目
を輝かせて聞いていました。ヘーベルハウスの実例の発表は私もさせていただき、ご
褒美に伊礼さんのサイン入り「伊礼智の住宅設計作法」をいただきました。
ちょっと得した一日でした。 伊礼さんのブログはこちら