東京デザインオフィスの荒川です
今週は月曜から全員で無垢木材を中心に扱っているマルホンの浜松のショウ
ルームと工場の見学にいってきました。新宿のオゾンにあるショウルームも十分
見ごたえはあるのですが花島さんが以前から一度浜松も是非見てください。と
おっしゃられていたので、今回思い切って全員で行ってしまいました。
海外の工場で加工したものを商品として輸入する場合と国内で原木もしくは挽き
板として輸入しそれを加工する場合があるようです。この工場は製材された板を
乾燥から始める工場で、こんな風にまだ商品になる前の木材が山積みになって
います。木も石と同じで磨く前はこの木のどこがきれいなのかよくわからない状
態です。ちなみに樹の乾燥に使う燃料はすべて製品を作る途中で出てしまうお
がくづや廃材でそれ以外の燃料は使っていないということで原油高も関係なさ
そうです。また燃料としてだけでなく木酢液なども作っていました。
さすが浜松。こんなのもありました。
製材して仕上がった床材にオイルフィニッシュをしている作業を見ることが出来ました。
無垢の材料はウレタンでなく出来ればオイル仕上げにしたいですね。
テーブルとかカウンターの巾の広い板はこんな風に接いで幅広の板にしています。
無垢とはいえ、いまどき一枚板だと一体いくらなのか検討も付かないし、そんなに大き
な樹はほとんどないようです。でこんな風に巾の狭い無垢の板を横に接いでいきます。
それでも機械で素直に作れる物は90cmまでで、それを超えるなものは、人の手でさ
らに接ぐようです。なので90cmを超えるものは急にコスト高になります。こういうことを
知っているかどうかで無駄なコストを押さえられることって結構多いですね。突き板を
貼った合板の割り付け方とかも同じですね。
工場を出ていよいよショウルームに出かけます。このショウルームグッドデザイン賞を
とっているだけあって演出がむちゃくちゃ凝っています。階段で三階に上がっていくの
ですが、途中に昔の工具が飾ってあったりして雰囲気を盛り上げ、細い廊下を出ると、
ドーンとひいたままの原木が横たわっています。
壁にはいろいろな樹が採れる産地の写真がスライドになって壁一面を埋めつくしてい
ました。
でなんかすごい鉄の扉、これは原木が運ばれてくるコンテナをイメージしているらしい
のですが、このコンテナの鉄の扉を開けると わーっ と大きな空間が広がり、今マル
ホンで入手できる床材すべてが一面に敷き詰められています。
この面積は新宿のショウルームの一体何倍なんでしょうか。黙っていると、ほとんどの
人はこの場をしばらく離れられなくなってしまいます。それくらいの存在感があります。
ここに行けば多分自分はこの樹が好きだと言い切れるものに一つはめぐり合えるよう
な気がします。私はちょっと表面をハンドスクレイプという加工をしたヨーロピアンオーク
と床暖房対応の熱処理をしたクルミにちょっと反応してしまいました。
そんなわけで、計画中のお客さまと一緒にショウルームに行きたいですね。君津の山
で庭の樹を選ぶのと同じくらい面白いと思います。
ご希望の方はご一緒します。君津の山の樹木選びとか、造作家具用の突き板を一から
選びに行くとか、そんなことも出来ます。
KAMATA modelや浜田山などの展示場の家具は実際にこんな風に作っています。
一番奥ではへこみを修正する実験もしてくれました。金属の棒で無垢の床材をわざと
へこまして、そこに濡れた布を敷きアイロンで何回かなでるとへこみがほとんどわから
ないくらい元に戻ります。こういう芸当は合板では出来ませんね。
これなんだかわかりますか。
ピーカンという樹種がありますが、これはその実、胡桃に近い様ですが、もっと細長く
表面がつるつるしています。
こうやって万力のような機械で割ると中からそれこそ胡桃と同じような実が出てきま
す。食べても良いです。という演出で、参ったという感じです。なんとなく得した感が
充実してきます。
このショウルーム東京からは遠いですが、住宅を検討されている方を是非一緒にお
連れしたいですね。ただし、当然コストのことも考えながら、無垢の材料特有の癖を
理解しながらです。そうすればいえを建てた後の日々は、さらに豊かなものになると
こと請け合いです。
花島さん、井澤さんいろいろとありがとうございました。