東京デザインオフィスの荒川です
この圧倒的な量のみどり、どこだかどこだかわかりますか。ティラ
ノサウルスでも出てきそうな勢いです。
これ、小金井公園の駐車場へ入るアプローチ部分の風景です。
しかしこれだけの緑視率のみどりはそうそうないような気がします。
ちなみに緑視率というのは、見えている視野の中の緑の面積比
率のことです。これが空だと天空率ということになります。
Face Bookにとりあえず写真をUPしましたが、実は昨日江戸東京
建物園に行ってきました。 灯台元暗しというか、家から車で30分く
らいの場所なんですが行ったことがありませんでした。
インテリアセンターの小野さんが、白金高輪のインテリアのプレゼ
ンで、常盤写真場の写真を持ってきていて、どうしても見たくなり、
以前からいきたかった前川国男邸も合わせてみてこようと思い立
ち出かけました。
話したいことがたくさんあるので、二回に分けて話をします。
建物園へいく途中の林の中にも、もとていい光が落ちていました。
正面の入り口へ行くアプローチがアスファルトで舗装されている
のが残念でしたが、両脇の空地にシロツメクサが植えたというよ
り勝手に生えているんだと思いますが、とても好い感じでした。
建物園自体は小金井公園のごく一部なんですが、かなり広い
です。建物も良い状態でたくさん移築してあるので、じっくり見て
いくと一日かけても足りないくらいでした。
始めに入った建物は田園調布の家(大川邸)です。
トトロに出てくる洋館というたたずまいですが、内部の空間のプロ
ポーションがとても好い感じです。
光の入り方も心地よく、窓辺に設けられたソファーに光が入り込ん
でくる様子は、今計画中の白金高輪の眠りの窓のまんまでした。
少なくとも、今の住宅の作り方とは明らかに違うような気がします
が、白金高輪は結果として大正時代の心地よさのようなものを再
現しようとしているのかもしれません。
次に入ったのは、前川邸。写真で見ていた通りの外観。大きさも
ほぼ予想していた通りの大きさでした。
格子による光の切り方も非常に参考になりました。
吹き抜けにスケルトン階段というスタイル自体は、今では当たり前
すぎてそれほどの感動はなかったのですが、この住宅が出来た当
時はとても珍しい光景だったのではないかと思います。漆喰の壁に
反射している光は綺麗でした。照明器具はイサムノグチのアカリシ
リーズの器具が二灯さっていました。オリジナルではないようなので
すが、雰囲気はぴったり合っていました。
リビングへ入る建具は今で言うとフロアヒンジのドアでかなり
巾が広い片開きのドアなんですが、重心位置を軸に荷重が
集中するように設計されていて、今でも軽く開きます。
書斎の窓は二枚引き込みで、かなり大きな巾で開口できる
ようになっています。ヘーベルハウスにも引き込みのサッシ
があるといいのですが。
次回は堀口捨巳の小出邸から紹介します。