東京デザインオフィスの荒川です
ソウル市内もゲリラ豪雨で大変なことになっているようですが
実は先週の日曜日24日までソウル明洞にいました。
22日、金曜の午後羽田を発って、24日、日曜の昼に羽田に
帰ってきました。
新しい羽田国際空港からの出発は今回初めてです。
出国ゲートの上部にショップやレストランがあるという構成は
成田とよく似ている気がします。
洪水に関しては、ほんとに危機一髪という感じで、ニュースの
映像がちょっと信じられない感じがします。
今回の旅行で一番印象深かったのは、再生した
清渓川(チョンゲチョン)でしたが、このの洪水で一体
どうなってしまったのか、ちょっと心配です。
2泊1日?の短い旅行でしたが、食事も観光も十分楽しむことが
出来ました。
かなりインパクトがあった清渓川ですが、そんなに古いものでは
なく2003年から2005年のわずか3年の間に首都高の様な
高架の道路を撤去し、川を再生したプロジェクトのようです。
水源は近くの川の水と地下水(地下鉄の湧水と聞きましたが
定かではありません)をポンプでくみ上げた水のようです。
水深は浅い為かなりの速さで水が流れています。
起点近くにはこんな滝やライトアップもされた噴水の様な水
なのですが、もう少し下流に行くとこんな状況になり、驚いた
ことに、ウグイの様な魚がたくさん泳いでいます。
私の育った江戸川区江戸川6丁目には古川親水公園
という川があり川の再生というとどうしても古川と比較を
してしまうのですが、古川には残念ながら本当の自然は
ありませんでした。同じように浅い小川として生まれ変わっ
ているのですが、川底や護岸にコンクリートを使って固めて
しまってまっているので、本当の自然は生まれず、
魚もほとんどいませんでした。しかしこの清渓川には鯉と
かではなくもっと自然を感じさせるウグイ?が群れている
んです。
過去の橋の記憶を残した架構も移築され残されています。
夜は人々の憩いの場として成立していました。
ホームレスの姿が見えないことにちょっと違和感を覚えました
が、こんな都会の真ん中に、こういう形で川が再生されている
ことが驚きでした。
10+1という雑誌の43号で五十嵐太郎さんが、日本橋付近の
様子と比較氏ながら、この清渓川の再生工事に関するコメント
を書いていますが、特に賛美も否定もしていません。
もしかすると表面に見えていない問題を抱えているのかも知
れませんが、少なくとも実際にこれだけのものを、都心に作り、
かつそれを綺麗な状態で維持される仕組みを作り、市民の
憩いの場として成立させているという事実はすばらしいこと
だと思いました。
安全性と居心地良さをサスティナブルな形で両立させることは
非常に難しいことだと思いますし、市民の意識が高くないと
実現出来ないことなんだと思います。
先の古川にしても、現在の東京には、残念ながら清渓川を
超えるようなコンセプトも結果も生まれていないと思います。
今朝の朝日新聞に横浜の再開発の考方が少し変わってきた
というような記事が掲載されていました。
日本の都市も少しづつ変わってきている気配は感じます。
街を安全で気持ちよい場所にしていくために、日ごろ計画
している一つ一つの住宅を、丁寧に作っていく責任を強く
感じました。