東京デザインオフィスの荒川です。
今回はパリの街vol.2トリスタンツァラ邸です。
この坂を♪、この坂を、上ったら♪、上ったら、
樹があります♪、樹があります。
樹を曲がり♪、樹を曲がり、しばらく行くとトリスタンツァラ邸
が見えてきます。つまらないですね。
しかしこのプレートもかっこいいですね。
トリスタンツァラさん、ダダイズムの詩人ってよく知りませんが
建築家アドルフロースとは仲が良く、トリスタンツァラ邸は1927年
モンマルトルの丘の上にロースが計画した住宅です。
アドルフロースってコルビジェみたいには有名ではないですよね、
良く比較されるようですが。
「装飾と犯罪」という本を著し、装飾罪悪論を唱えながら、
シカゴトリービューン社のコンペでドリス式の円柱をそのまま建物に
したポストイモダン的な案を出してみたり、学生の頃どうやって解釈し
てよいのか困惑していたことを思い出します。
ラウムプランという計画手法を駆使し、複雑に床がスキップしていく
空間を作っています。
効率を追い求めているのか、今までにない空間を生み出していく
手法なのか、勉強不足で良く理解できていません。
ただワンスペースで全ての機能を飲み込んだり、機能ごとに空間を
分節してくような作り方とは異なり、ボリュームや形で空間を分節して
いくようなことを意識したのは、新宿モデルの計画していたときに、
弊社の商品企画の工藤からラウムプランの話を聞いたころからです。
それで、ロースの建物とにかく見てみたかったんですね。
今で言う二世帯住宅なんでしょうか、ドアは二つ付いています。
LOOSという本に簡単な平面と断面が載っていましたが、機能的
な部分は良く分かりません。
かなり高低差もある土地なので、構造 的には建物自体が擁壁に
なっていて、裏側は3階レベルにテラスがあるような計画の様です。
1階部分はレンガではないですね、石だと思いますが、
隣の擁壁と同じ仕上げで無理なくなじんでいます。
上部を見上げると中央部分がえぐられた形で、左右対称
な形をしています。
プランを見る限り階段はあちらこちらに分散していて内部は
複雑にスキップしているようです。
中に入って見たかったですが、今回は実物が目の前にあ
るという事実だけで取り合えず、満足しました。
いずれは公開されているプラハのミューラー邸などにも行っ
てみたいですね。