東京デザインオフィスの荒川です
三週間くらい経つとだいぶ記憶があやしくなってきいますが、
今回はパリの北東部にあるラ・ビレット公園です。
今回の旅行では淵上正幸さん著のヨーロッパ1建築案内が
かなり役にたちました。淵上氏はギャラ間の展示に合わせ
TOTOが開催する講演会の司会をされていて、何回かお話
を聞いたことがあります。
今回仕入れた4冊のガイドブックはそれぞれかなり個性が
あるのですがおもにこれは現代建築に関してのガイドで、
知らない建物や建築家もかなり紹介されています。
このラ・ビレット公園周辺も今回の旅行で初めて知りました。
公園の南側には音楽都市が計画されており、西棟はパリ
コンセルバトワール(パリ国立高等音楽院)が入っています。
メトロの駅 port de pantin も音楽仕様でした。
そもそも今回パリに来れたのは、家族がのだめカンタービ
レの映画のロケ地をまわりたいというところから始まってい
るので、コンセルバトワールは見学コースからはずすわけ
にはいきませんでした。
この建物は、フランスのクリスチャン・ド・ポルザンパルクの
代表作。
といっても恥ずかしながらポルザンパルクの存在自体知ら
なかったのですが、ガイドを見ていて、オートフォルムの集
合住宅は見てみたいと思いましたが、今回はお預けです。
トホホですね。
この形・・・・・・そうロンシャンですよね。
この庇は街の喧騒が内部に入り込みにくくする遮音が目的
のようですが。
この輝くような白というより薄いベージュの壁、いかにもパリ
の色。多分ライムストーンです。パリの街はライムストーン
でできているんでしょうか。とても上品な質感の白です。
裏に回るとこんな形や、
こんな形。これは間違いなくコルビジェへのオマージュですね。
コンセルバトワールを抜けてラ・ビレット公園の中に入って
いきます。
公園の通路の舗装もこんな様子。いいですね。
公園の計画はコンペで行われたようです。バーナード・
チュミがコールハースなどを退け圧倒的な支持を得て勝ち取
ったとかいてありました。
公園の中には120mピッチのグリッド想定し、その交点に真赤
フォリー(folie)と呼ぶ東屋を点在させ、公園の中に点、線、面
を作り出しています。
フォリーいうのはもともとばかげているとか、愚かで無駄な
というような意味らしいですが、ここでは特定の機能を持た
ない建物とか中に入り込むことができる彫刻という意味を
持たせているようです。
このフォリー、われわれが普段設計しているへーベルハウスに
スケール感が非常に近く、ひとつひとつじっくり見ていても飽きま
せんが、そんな時間があるわけもなく、するすると通り過ぎて
るしかありませんでした。
出来上がった物だけを見ているとこれらのフォリーの色はこの
赤以外にあり得ないように思えます。
こんな色のへーベルハウスが街のところどころにあったら
面白いような気もしましたが、傍迷惑ですね。
途中運河もあり、フォリーとも機能的に結び付いています。
運河の横の通路の階段の脇にレールが付いていました。
多分自転車用のガイドレールだと思いますが、これでも何と
かなるんですね。
運河を超えると科学産業都市があります。
こういう建物は日本だと箱ものという印象があり、あまり
面白くない先入観があるのですが、パリはどうなんでしょうか。
にしても、すごい規模なので、時間があれば中に入ってみた
かったですね。外観もかっこよかったです。
最後に見たフォリーは、ハンバーガーのクイック。ここでは
食べませんでしたが、サン・ラザールの駅の近くのQUICK
には入ってみました。普通にハンバーガーでした。