東京デザインオフィスの荒川です
ちょっと悲しいお知らせです。
2004年、渋谷デザインオフィスの発足とほぼ時を同じくして
計画を進めていたSDOの設計による展示場のはじめの一歩
であったSETA modelが解体されることになりました。
別に集客力が落ちたとかそういう理由ではなく、店長の
糸井さんの話によるとこの展示場には今でも契約いた
だけるお客様はたくさんいらっしゃるらしいのですが、
瀬田の会場自体が縮小され、SETA modelの建って
いる場所がちょうど縮小される敷地にかかってしまっ
ているということのようです。
KOMAZAWA modelの解体のときも 同じメンバーで
お別れ会のようなことをしましたが、今回も旧SDOの
初期のメンバーが久しぶりに全員集まってお別れ会を
しました。岩井さんは今回もカメラマンで写真には写っ
ていません。
ここの計画をしていた頃は、ロングライフデザインとは
一体何なのか、どうすれば長く愛される住宅がデザイン
できるのかということを、ひたすら考えていました。
形であったり、仕上げ材であったり、機能であったり、
環境への対応であったり。
変わるものと変わらないものというような概念も営業推進
部の白石さんや商品企画の工藤さんにヒントをもらいな
がら、それを形にすることに時間をかけて、丁寧にやっ
ていました。
たぶんその考え方は間違っておらず、今でも綺麗で
気持ちの良い形、空間、空気感はそのままでした。
今TDOのデザインのベースになっている考え方はほぼ
この頃に出来上がっています。
機能と空間は別の物で機能は時間とともに変わっていくが、
空間の本質的な心地よさのようなものはいつも変わらない
ということがこの頃意識できるようになっていたのだと思い
ます。
ロングライフをコンセプトに作ったSETA model、
展示場としてのロングライフの記録を塗り替えてほしかっ
た のですが、残念です。