東京デザインオフィスの荒川です。
5月に「暮らしをデザインする」というタイトルのセミナーと
東京デザインオフィスの実邸見学会というイベントを行いました。
オープンしたばかりの成城モデルを解説しながら見てまわり、
我々の設計の基本的な考え方をお話し、最後に実際に計画した
住宅を見学するという盛りだくさんなイベントでした。
おかげさまで好評でした。だったと思います。
今月8月25日に第二回目を行う予定になっています。
今回は「品川かぜのとう」と「代官山の集合住宅」を見ていただく予定
にしていますので、「代官山の集合住宅用」で計画したビッグテーブル
をご紹介します。
計画のかなり初期段階で、LDKをどんな空間にしようかという話を
お客様としている中で、大きなテーブルをおいて、ここで何でもできるような空間は
どうかという話をしていました。
手塚さんや色々な建築家の方々がそういった提案をよくされていますが、
なんとなくわくわくしてくる話です。
どうせなら手触りや質感が伝わってきて、飽きの来ないような素材を使いたい。
というような話をしている中でチークがクローズアップされてきました。
天板の大きさは3m×90cm厚みは40mmです。単位が全部違いますね。
無垢材。といってもいまどきこんな大きさのチークの無垢の板などあるわけもなく、
接(はぎ)板といわれるもので、
100mmくらいの巾の材料を横方向に張り合わせて
900mmにしたものを使います。
足をどんな形にするか天板のRは取るのか等、色々考えたのですが、
ここは妙なデザインはせず、素材の良さを前面に出す、
シンプルな形にした方が良いかな。という話になり、詳細設計や部材の手配は
いつもお世話になっているDAYSの松江さんにお願いしました。
出来上がるまではいろいろ大変でしたが、実は一番苦労したのは天板の搬入でした。
3階部分は道路に面する窓の目の前に電線が通り、
そこからの搬入が難しいということがわかり、
唯一の搬入路がこの写真の部分でしたが、
外構が完成してしまうと、そこに車が寄せられない。
ということで、外構工事を一次中断して天板を吊り上げました。
運悪くかぜが非常に強い日でこれ以上強くなると搬入できないという状況の中、
風が止んだタイミングを見計らって何とか三階に持ち上げました。
ここでみな拍手していました。
ビッグテーブルを置く空間はここ。
お客様指定の広松木工の椅子達(何種類もの椅子が並び、本当に達という表現がぴったりの感じでした。)が主役のテーブルがくるのを待ち構えている、状態でした。
テーブルを組み立てている最中に、お客様からテーブルに裏書というか署名をし
てほしいとお願いされ、大胆にもこんなことになってしまいました。
最終的にテーブルも納まり、とても居心地の良い場所になったと思います。
25日はぜひこのビッグテーブルも見に来てください。
当日セミナーの会場になるFREX RESIDENCE 成城モデルは、
10日に発売になったCASA BRUTUSに12ページを使って紹介されています。
書店でも是非ごらんください。
当日見学会にご参加された方には、この特集ページの抜き刷りを差し上げます。