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録ミュージアム

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荒川圭史

東京デザインオフィスの荒川です。

 

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もう昨年の話になってしまいましたが、12月9日から一泊で
支店旅行に行ってきました。今回は栃木です。

大体行くところの近くに何かみたい建物がないか、探していきます。

一昨年は、福島に出かけたので、栄螺堂を見てきました。

 

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今年は中止かと思いきや、逆にどこか行きたいところはあるかと尋ねられ、

まだ見たことのない厳島神社に行きたいといったのですが、

予算と日程が厳しいため関東近辺でという条件の中、
中村拓志さんの録museumに白羽の矢がたち、見てきました。

 

中村さんは以前都内の「Dancing trees、Singing Birds」という
集合住宅で、既存樹木の枝まで3D測量してそれをかわしながら
建物の計画をするということをやっていたのは知っていたのですが、

その意味まではあまり真剣に考えたことがありませんでした。

 

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今回見学に行った録museumでは、既存樹木ではなく、

わざわざ新たに樹を植えて、それを交わして計画をするということ
をやっています。これを見てようやくやりたいことがわかった気がしました。

 

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まず敷地に規則的に樹を18本グリッド状に植えるのですが、
この建物のロケーションは、ロードサイドの大型店舗が立ち
並ぶ地方都市にありがちなある意味あまり気持ちが良いとは
言いにくい風景の中あり、そこに森のような場所を強引に作りだしています。

このことで、とてもうるおいのある場が生まれています。

 

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建物はその樹木をかわしながら、前述した「Dancing trees、Singing Birds」と

同じことをやています。恣意的に形を決めるということをあえて避け、

形が決まっていくプロセスを恣意的に作っていくということで、出来上がる形や空間に
あざとさとかいやらしさが残らないように面白いものが出来上がっていく状況を作っているのだと思います。

 

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樹木を残したいとか森を作りたいという目的ももちろんあるとは思いますが、

本当の目的はそういう状況を作るために樹木を道具として使っているということなんだと思います。

 

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結果として出来上がった森と建物は一体となり、とても気持
ちの良い形と空間が出来上がっていました。

 

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生島も大竹も気持ちのよさそうに窓辺の景色の中に溶け込んでいます。

内部空間からは効果的に樹木が見えるような開口部を切り取り
気持ちの良い窓辺の空間を作り出しています。

 

DSC09781.jpgのサムネール画像

 

 

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入口は枝をくぐるような一に設定され、かなり天井が低く
なっているのですが、空間の演出としてもうまくいっています。

モデルになっている松尾や熊谷は決して背が大きいわけでも
ないのですが、天井まであまり余裕がない状況になっています。

 

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内部は枝をかわすような局面の上部のトップライトから天井を
舐めるように気持ちよく光が広がっています。

昔高圧電線の下に立つ家というようなタイトルで天井が湾曲し
ている住宅がありましたが、電線よりは樹木の方が気持ち良い
し、三時曲面が貫入している単調さを避け複雑な形が生まれ、
気持ちの良さにつながっています。

小さいですが、わざわざ見に行って後悔しない美術館だと
思います。

録museum

http://www.roku-museum.com/
 

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