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相模原のかこいの家

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荒川圭史

東京デザインオフィスの荒川です。

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東京営業本部で商品化した東京のエリア商品で「かこいの家」というのがあります。今回紹介する相模原の住宅はこの「かこいの家」です。

商品といっても、もちろん一からシステムを作るわけではなく、既存のCUBICのシステムを使って、住まい方というか、一定の形や空間を持った建物に名前をつけて商品としたものです。

考え方としては、住宅雑誌を席巻していた、都市型の閉じて開くというスタイルなんですが、もう少しだけ街に開きたいという意識が感じられるような作りになっています。

建築家の藤本壮介さんの作ったhouse Nという住宅ほどの空間のあいまいさや、面白さはもちろんないのですが、都市近郊の街で現実的な規模の住宅として居心地の良さを生み出す一つの解になっていると思います。

今回この敷地を初めて見た時に、決して密度が高いわけではないのですが、やはり外部というか道路側に無防備に開くわけにはいかないという感想を持ちました。

巷には、とりあえずブロック塀とフェンスで囲っただけで無防備に開いてしまっている残念な住宅も多いですが、こういう状況は何とか打破したいと常日頃考えています。

今回は2階部分だけを開放するとちょうどいい空間が出来上がりそうな、まさにかこいの家にぴったりなサイズだと思いました。

もう少し大きな建物になると、街路と建物のインターフェイスを建物と一体で作ると大げさになりすぎてしまうのですが、これくらいのサイズの外部空間の場合、室内のスケール感と外部のスケール感がリンクして 一緒になっていくような感覚があります。

車庫は建物とは切り離してしまい、すっきりさせた方がうまくいくと思います。 余分な要素はなるべく排除してシンプルな箱を作ることに徹したほうがよいのだと思います。

現地でお客様と初めてお目にかかり、その場で「かこいの家」の考え方を説明し、どこの光、どこの景色を切り取って取り込むかというような話をし、ほぼその場で方向性は決まって行きました。

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建物がL型なのか、U型なのかいくつかシミュレーションした結果、この場所にはU型のほうがうまくいくことがわかりU型の建物の正面を躯体でかこい、「かこいの家」としています。

ゾーニングのとり方は、15年くらい前に登場した「そらから」という建物に近い形です。あのころは中庭ばやりでしたね。

この規模の住宅はあまり色々なことをやらずに、1ボリュームで作るとよい感じになると思っています。

旭化成のCMで「考えよう答えはある」というコピーでホワイトキューブが街に挿入されている映像がありますが、ちょうどあのまま、キューブに穴を開けて中に樹木を入れたような形です。

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中庭の木を家じゅうから眺めるようなゾーニングで、朝日が入ってきそうな方向に吹き抜けを設けています。

この中庭にどんな樹を植えるかでこの住宅の心地よさが決まってしまうといっても言い過ぎではないと思います。

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CADのパースは伝えたいことと、どうでもいいことが同じ密度で表現されてしまうので、何がしたいかよくわからない絵になってしまうことが多く、このタイミングではあまり使わないのですが、この平面の鳥瞰 パースはとても分かりやすくて良かったです。

空間がシンプルなせいでしょうか。

動線は、メインの動線と裏側に家族だけの動線みたいなものを設け、書斎と中庭を家族で共有するような空間になっています。最近オープン した「街かどへーベルハウス豪徳寺-東京一軒家はなまねき-」でも同じことをやっています。

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このパースは一階の主空間と中庭の関係が分かりやすく表現されています。

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二階も中庭を挟んで、各スペースがちょうどよい距離感でつなげています。

来年の3月には出来上がっていると思います。

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