浦和区の二世帯住宅
東京デザインオフィスの荒川です
この度の東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申
し上げます。
先週の金曜日に地震がおきてから9日目になりますが、昨夜もまた地震がありまし
た。安心して普通の生活が出来るように早くなってほしいと願っています。
昨日今月お引渡しの予定になっているお客さまを現場にご案内しました。資材がなか
なか現場に届きにくい等の問題も起きているようですが、今は、なるべく無駄なエネル
ギーを使ったリせず、無理はせず、ただし目の前にあるやるべきことを確実にやって行
くしかないと思っています。
東京デザインオフィスと改名し、昨年3月にホームページを全面的に改訂してから丸
一年を迎えようとしていますが、それ以降にご契約いただいたお客さまの住宅も着々
と完成を迎えつつあります。
昨日現場にご案内したお客さまは、浦和区に建築中の二世帯住宅です。このお客
さまは、二世帯住宅の設計相談会に申し込みいただいた方です。東京デザインオ
フィスでは、お客さまに設計相談会にお申し込みいただけるというスタイルを理想と
しています。計画を正式にスタートするときには設計フィーとして10万円いただいてお
リます。このお客様が申し込んでいただいていたときは実は無料設計相談会でしたが、
お客さまは無料ということをあまり意識されていらっしゃらなかったようでした。たまに
無料でということをやっていることもあるので、そのときをお見逃しなく、ご相談下さい。
この住宅は6寸勾配の切り妻屋根を乗せ、小屋裏を吹き抜けや居室として使うような
Lハットというシステムを用いた住宅です。浜田山モデルと同じでものです。
敷地の東側は大きな桜の樹が植えてある空き地になっていました。最近桜づいてい
るような気もしますが。南側は二軒の住宅の間が割りと大きく開いていたのでこのあ
たりの採光と日照を頼りに平面計画を進めていきました。打ち合わせ時に使ったゾー
ニングのイメージを伝えている図です。
一番初めはLハットではなく、フラット屋根のフルサイズの三階建てで計画していまし
た。この頃はまだ一部賃貸スペースも合わせて計画していました。
賃貸部はやめにして、ボリュームを小さくする方向で進めることになり、3階はLハットに
変更しました。とりあえずまとめた計画はこんな形をしていましたが、この段階ではまだ
Lハットは南を向いています。
計画中に熱取得の話だったか空間ボリュームの話だったか、太陽光発電パネルの
話だったか、ハットを北に向け、北側の安定した天空光をよりどころに計画するような
形に変更しました。こうすると一年を通して安定した明るさを確保しながら夏の熱取得
を抑えることが出来ます。浜田山モデルの場合は外付けのブラインドを設けて対応し
ていますが、このような設備に頼らないのであれば、吹き抜けを北側に向けるというの
もひとつの手です。さらに南に向いた屋根面へ設けた太陽光パネルはパネルをフラット
においた場合よりグッと効率も良くなります。こうすると良いことばかりな感じがします
が冬のコールドドラフトは注意しておく必要があります。実際今私の住んでいるヘーベ
ルハウスは断熱性能において現状のヘーベルハウスより二世代前の仕様なので、
吹き抜け上部に設けた窓からかなりの冷気が降りてきます。いわゆるコールドだラフ
トという現象です。ただし今のヘーベルハハウスの開口部に使っているサッシは複合
樹脂サッシで、空気層もより大きいペアガラスになっているので、以前ほどは気を使
う必要はなくなりました。この住宅では夏の熱取得が大きくなりすぎないこと。通風を
確保すること太陽光の発電量を優先しLハットを来たに向けました。ただし通常は北
側斜線に阻まれこのような計画をすることはなかなか出来ません。今回は北側が
道路だったことで低層住宅地にあっても実現出ました。
このタイミングで、Lハットの向きが逆になっています。
最終的にはLハットは西側いっぱいまで設けることになりました。最終的に出来上がっ
た浦和区の二世帯住宅の模型です。
躯体が出来上がった状態で確認に行ったときの写真です。
考えていた通りですが、空地を狙った1階にもかなりしっかりと日が差し込んでいます。
Lハットの吹き抜け内部はかなり大きな空間になっています。
北側からの採光で内部はかなり明るくなっています。
今回も階段回りに格子を使っているのですが、かなり難しい納まりになっています。
方針と概略のスケッチを渡して、詳細は今回もDAYSの松江さんにお願いしています。
いつもやったことのないものを作らせられると文句を言いながらしっかり対応してくれま
す。とても頼りになります。
次回本日現場に行ってきた状態の写真をご紹介します。