東京デザインオフィスの荒川です
桜も満開に近づき、隣の老桜もたくさん花をつけていました。この住宅はこの桜が
あることをかなり意識して計画したので、その状況がちょうど確認できました。
この時期にお引渡しが出来ておらず、お客さまのには大変申し訳ないと思ってお
ります。
二階の寝室からもこんな風に。
1階のダイニングからもこんな風に。
北側の水回り前のロッジアからもこんな風に。
ついでに、浴室からも直接望むことが出来ました。
もう一つこの住宅の大きな特徴は、いろんな方向からの光の入り方と格子による光の
拡散です。最近一番興味があるのは、窓とその周囲の光の入り方回り方で、
フェルメール展を見に行ったり、Window Scapeという東工大の塚本由晴研究室で出
している本を見たりしていますが、この住宅のなかでもいろいろな光を感じることが出
来ます。
吹き抜けに面して北側に大きな窓が4連で設けてあります。家全体の光はこの北側の
安定した光がベースライトのような役割をして、それだけでとても明るく、正直もう少しど
んよりした感じでもいいかもと思っていたのですが、かなりさわやかな空間になりました。
この写真からも格子越しの光や天井面への反射光がわかります。もう一つ奥の方がも
のすごく明るく写っていますが、これはこの奥にある部屋から西日が入り込んでいるた
めです。照明メーカーのKOIZUMIのデザイナーさんから行く先やあなぐらを明るくすると
安心感が生まれるというサバンナ効果の話を聞いたことがありますが、まさにこんな感
じだと思います。
Windou Scapeににじみの窓という表現が出てきますが、天井面に光が滲み出して
いるのがよくわかります。この光北側の天空光です。北側って実はとても明るいですが
お客さまにこの話を理解してもらうのにいつも時間がかかりますが。
格子の間からはにじむというより沁み出しているという表現のほうがぴったりします。
書斎の窓から入る東側の光です。もう午後なので、この方向から直射光は入らない
のですが、やはりこんなに光がにじみ出しています。フェルメールの感じた光はこんな
感じなんでしょうか。光が入ってくる窓よりもそれを受ける壁や天井の計画が重要なん
だと思います。
屋根裏はこんな感じです。
もちろん南からの直射光も入るように計画しています。キッチンの奥に主に通風のため
に設けたのですがハイサイドの窓からもいい光が入り込んでいます。
1階の浴室には窓がなく浴槽から洗面所を通じて採光するというパターンをよく計画し
ますが、こんなにドラマチックな光が入っているのを見たのは初めてでした。午後この
お風呂に入ったらさぞかし気持ちがいいだろうと思いました。
格子越しの光もいろいろな箇所で感じられるような計画になっていますが、天井の
ルーバーからも光が沁み出していました。
階段室の天井には格子のパターンの光が沁み出していましたが、夜になると照明の
光がこんなパターンを描き出していました。
これは格子の詳細設計をしてくれたDAYSの松江さんが携帯に送ってくれた写真です
が、ちょっとびっくりしました。夜実際に見てみたいと思います。