東京デザインオフィスの荒川です
浦和区の住宅が完成し、先日お引渡しをしました。
この住宅は階段周りの格子の木工事が大変複雑で、いろいろな方に
助けていただきながらようやく完成しました。今回もDAYSの松江さん
には大変お世話になっています。
外構工事は、引越しのタイミングや地震の影響も有り、かなりの部分
がお引渡し後の工事になってしまいました。最近ではほとんどの計画
で外構工事も建築と一緒に請負工事としているので、お引渡し時には
外構も含めて工事は完成していることが多いのですが、そのあたりは
臨機応変に考えお客さまが一番望まれている形で進めています。
いずれにしても外構の計画を切り離して建物だけを計画するという昔
の住宅メーカーのやり方はありえないというか、それではまともな建物
の計画が出来ませんよね。
この日私も写真を撮ってきたのですが、午前中岩井カメラマンがきれ
いな写真をたくさんとってきてくれたので、その写真を中心に紹介させ
ていただきます。
手摺が揺れないように柱を一本立てたのですが、この柱があることで
空間が引き締まって見えます。もちろん建物そのものの構造的な柱で
はありませんが。鉄骨ですから。
正面の手摺の十字のパターンは強度を確保する為にそうなっている
のですが、きれいです。格子とスノコは共に30mm×60mmの材を
かみ合わせるように固定しています。今回はすべてこの方法で納め
ています。当初針葉樹系の材料だと塗装の乗りが良くないということ
でアッシュ材で計画していたのですが、コストがかさむので、米栂で
サンプルを作ってみたら、思いのほか綺麗に仕上がったので、米栂
にすることで、コストはだいぶ抑えることが出来ました。
スノコ部分は廊下ではなく基本は天井のルーバーなのですが、通風の
ために窓を開けたり、吹き抜け内部の空気を循環させるために、夏は
スノコの上に扇風機を置いてもらおうと考えているのですが、その点検
時にはスノコの上に載ることが出来る程度には作ってあります。
上からリビングを見下ろすとこんな感じに見えます。ここに浮いている
照明器具は川崎の住宅で使っているGlo-Ballではなく深沢直人さんデ
ザインのpanasonicのMOIDIFYという器具です。この器具のシェードは
ガラスでなくアクリルなので落としても簡単には割れません、汐留の
ショールームに行ったとき案内してくれた方が落としてしまい床をこん
こん跳ねていました。リビングから見たときも、この格子の部分の面積
がかなり大きい為、床のこげ茶のタイルとこの格子の色で、内部の印
象がほぼ決まっています。
この写真、何件かわれわれの住宅を撮影をしていただいたカメラマン
の宮脇さんだとこんな部分を撮るでしょという写真を岩井君が撮ってい
ました。
やはり小さな部分が綺麗でないと、いかにプランや動線がうまく計画
できていても、なかなか気持ちのよい空間にはならないですからね。
床のタイルはかなり光を吸収しますが、やはりタイルなので、滲むと
言うよりはやはり直接的に反射します。こういうのも綺麗ですね。
勾配天井面への間接照明もセオリー通りで、カットオフラインというの
ですが、どこまで光を当てるかの調整もうまくいっていると思います。
階段室の裏には、裏動線が取ってあります。これは廊下の両側を定
番になってきた腰高の引き戸で仕切ることで一緒に生活しているワン
ちゃん5ひきを廊下に閉じ込めることが出来るようにしてなっています。
上部を見上げるとこんなふう、ワンちゃんのために天井から光を採っ
ています。
次の二枚の写真は岩井君の必殺技です。暗い部分と明るい部分が
とびもせずつぶれもせず、両方写っている特殊な写真です。
夕方、日が落ち始める時間に道路に出てみると、不思議なことに太
陽光線が北からあたっています。
光のくる方向は北・・・こんな時間にこんな方向から日照があるはずな
い・・・と思い直しよーく見てみると、はす向かいの家の大きな窓ガラス
に夕日が反射していました。
反射光あなどりがたしです。
午後には家具も搬入されだいぶ家らしくなってきました。
最近は家具も家と一緒に計画して請け負っていますのでお引渡し時
には家具も入っていることが多くなっています。
この住宅、外構が完成して落ち着いた頃にお客さまに訪問会をさせて
くださいとお願いしていますが、お客さまのご厚意で、実現しそうです。
具体的になったらイベントブログに案内を出します。