東京デザインオフィスの荒川です
前回下地まで出来上がった状態を紹介しましたが、9日に
お客さまの検査がありました。もうほぼ完成しています。
お客さまのご厚意で16日(土)にはオープンハウス
も開かせていただくことになっています。
いまヘーベルハウスを計画されている方も、これから
計画しようとしている方も、 特に私のところは土地が
大きくないしと躊躇されている方は、ぜひ見に来てい
ただければと思います。何かしら参考になる部分が
あると思います。
62.09㎡(18.78坪)の土地にお客さまが思い描いている
理想の建物を計画できるのかどうか。
こういうケースの場合、お客様の要望を積み上げていく
ような作り方ではなく、機能的なことはとりあえず置いて
おいて、この敷地の中で作ることが出来る空間の
パフォーマンスを最大にすることを考えていったほうが
うまくいくことが多いと思います。
この計画では、二階の床面をいじめてでも、一間奥行きの
ベランダをとることにし、道路斜線のかかる三階部分の
屋根をカットせずに、潔くセットバックしてベランダを作る
という二つの選拓をしました。
二階部部分はご主人様のベランダに対してのこだわりを
優先し、三階部分は既成概念をはずした個室の考え方を
してもらえたことで、気持ちのよさが優先され、途中から
は狭いという言葉をまったく考えなくて済むような楽しい
打ち合わせが出来たと思います。
もちろん、空間を無駄なく使う上で、それなりに知恵は
絞っていますが。
和室の窓は道路まで285mmしかないのですが、ここはおたが
いさまハウスでつくった格子と同じような解決の仕方をしていま
す。
本当は木で作った方が綺麗なのですが、メンテナンスの
こともあるので、アルミになってしまうのですが、今回選ん
だのは三協アルミのJモダンというシリーズの細目(ささめ)
格子タイプです。細目格子というのは、格子の桟一つ一つ
が台形になっていて、外から見えにくくなっている物です。
既製品のアルミの格子は、どれも目が粗いので、このタイプ
は使いやすいと思います。
中からはこんな風に見えています。
吊り押入れは、狭く感じさせないように布団の収納場所を確保
する為の常套句です。綺麗にかつ安く作る為には、ちょっとだ
けがんばる必要があります。
ガレージは二階の張り出しの下を使っています。床の仕上
げはモルタルで十分というか、下手にタイルなどは使わない
ほうがきれいにできると思いますが、モルタルをきれいに
見せるにには、液体だと思わず、大きな石だと思って計画
するとうまくいきます。
またかという感じですが、同じ場所を広くというか気持ち
よく感じるために光もとても重要です。
階段を上がるとリビングと廊下との仕切りは天井までの
高さにしないで、上部に間接照明を入れた収納としてい
ます。天井がつながり空間が広がります。
一番抜けがある西側には大きく開いて、眺望を確保しています。
オイル仕上げの床に反射した光は綺麗ですね。床材は
マルホンの挽き板フローリング、タモ材を使っています。
東側にはハイサイドの窓を設け、通風を確保しています。
西側の光と眺望には、熱も付いて回るため、入り込む熱を
コントロールする為に、この住宅にはアウタースクリーンが
たくさん付いています。
三階の掃きだしも当然そうなっています。
キッチンは対面式のようようなレイアウトは難しいので、
どうしても造作家具に頼ることになるのですが、全部
家具屋さんに頼むと非常にコストがかさんでしまうので、
大工さんと建具屋さんの工事で出来るような設計をして
います。エアコンもここに埋め込んでいます。このあた
りの建具工事はいつも阿部興業さんにお願いしてい
ます。
リビングのカウンターも固定しないで動かせるような作りに
しています。ここはアルナイさんにがんばってもらってい
ます。
リビングと廊下の仕切りは多機能文具のようにいろいろ作
りこんでいます。建具もここに引き込まれます。ちょっと
不思議な感じです。上部は照明器具。
背面は収納と洗面台。
ちょっと種明かし、上部の照明器具はもっともコストの安いただの
トラフ型蛍光管です。
個室部分は将来建具で仕切れるようにかつ工事が最低限
で済むように床と天井にレールだけを埋め込んであります。
収納はベッドと立体交差が出来るように吊ってあります。
階段の上もベッドに出来るように棚を作ってあります。
インテリアの仕上げ材もこだわって決めましたが、
壁は東リのアースウォールという珪藻土クロス。
ビニールのクロスより継ぎ目が目立ちやすいのですが、
それ以上に光が綺麗ににじんでくれます。
もちろん珪藻土としての機能も持っています。
当日東リの稲山さんと尾形さんが説明に来てくれていました。
18坪のちょっと不整形な土地にとても気持ちのよい住宅が
出来ました。
16日は是非オープンハウスに寄ってみてください。