東京デザインオフィスの荒川です
スケッチだけ紹介していましたが、7月にお引渡しはしてい
ました。外構工事が遅れていましたが、ようやく完成し、今日
為田君と確認に行ってきました。
この計画で、やってみたことで一番やって見たかったことは、
路地奥の敷地の路地部分を親世帯の庭と一体化すること
でした。お客様に一番初めにプレゼンエーションしたときに
こんなスケッチを見てもらっています。路地部分の塀を取り
払い、共有化することで、子世帯は庭の中を通ってアプロー
チしていくような感覚になり、親世帯は路地部分も含めて
全体が庭になるという感覚を持てるようになります。
もともとこんな状態でした。道路から内部を見た状態です。
完成後はこんな風になりました。まったく別の場所の様です。
同じく奥から道路方向をみた状態。
完成後はこんな風になりました。土の部分に植栽が入り、
通路脇のヘデラが際をあいまいに してくれるようになると
もっといい雰囲気が生まれてきます。
何かいきぐるしいと感じていた場所が、建築するという行為
ではなく単に塀を取り払い、アプローチと庭を一体化すると
いう操作をすることで、街の中に大きな余白が生まれたよう
な状態を作ることが出来たと思います。この通路の様な庭の
ような通路が、親子二つの世帯をつなぐ場になるということも、
何かとてもいい感じがします。
おたがいさまハウスを作って以来、こういう事はいろいろと
考えてはいるのですが、なかなか受け入れてもらえないこ
とが多いので、今回お客様に受け入れていただき、かつ喜
んでいただけていることに、とても感謝しています。
内部の写真はお引渡しのときにも撮っていたので、紹介します。
これはお引渡しの時のリビング、まだ家具は入っていません。
メインの壁には当初エコカラットとかタイルとかアクセントになる
ものを貼りたいという要望があったのですが、アアルトばりに
レンガの上からホワイトの塗装をするというのをやっています。
プロヴァンス風の住宅を作っているネイチャーデコールさんも
よくやっている手法です。以前見学に行った横浜アパートメント
で白い壁を作りたいときに、白いサイディングを使わずに、わざ
わざグレーのサイディングにホワイトの塗装をしていましたが
意味合いは近いのかも知れません。ただ元がレンガなので、
サイディング等とは違い、そのままでも十分に綺麗なことは
綺麗なののですが。
キッチンを中心にリビングとダイニングをL型にレイアウトして
います。
間接照明は多用しています。ここは寝室の手前の通路と書斎の
間の書棚を置く壁 ですが、その上に間接照明を入れています。
こういうやり方、最近は常套句になっています。
この部屋にも間接照明を入れていますが、ここは少し意味合い
が違います。この部屋の天井は夜かえってくるときにアプロー
チ部分からずっと見えているので、天井面が明るく見える様
にするために計画したものです。
天井の穴はちょっと邪魔な感じですが、ここから小屋裏の収納
に上がるようになっているので、これでいいんです。
階段を上がったところは壁面に綺麗に光が広がるような計画
にしてあります。
接道はしていないのですが、ちょうど裏側の道が敷地に刺さる
ような位置にあるので、ここに向けて書斎の窓を設けています。
始めに敷地とその周りの環境を注意深く読むという作業は
とても重要です。
裏の道路からはこんな風に見えています。
今日も室内を見せてもらいました。
お客様が一番要望されていた、朝日の入るダイニング。
とても気持ちがよさそうな空間になっていました。これは9月
24日の午前10時くらいの様子です。
レースのカーテン越しに綺麗な光が入りこんでいます。
レースのカーテンはとても綺麗ですね。窓を開けると、見えな
いはずの風もレースのカーテンを通じて視覚化されますし。
ソファに座るとこんな風に見えます。最後にお客様がご自分で
納得いく形でウッドデッキを作りたいということで、今はまだ無い
のですが、デッキが張られるとさらに空間に広がりが生まれて
くるはずです。
リビング全体はこんな構成です。新設したソファの周りに
ビンテージの一人用のソファが二つ置いてあります。
これはおじい様が使われていたカリモクの椅子を孫に当たる
お客様は引き継がれたものです。ナガオカケンメイさんでは
ないですが、こういうものを大切に長く使うというスタンスと
その考えに着いてこれるデザインというのは、気持ちがよい
ですね。
階段室を下から見上げてみました。二つの窓から入ってくる
光が階段室内に綺麗に溜まっていました。
玄関に準備していた舵を固定するチークの棒にも、本物の舵
がしっかりと設えられていました。設置位置、神業の様です。
機会があったらぜひ見ていただきたい住宅が完成しました。