計画中の住まい

東京デザインオフィスの荒川です。

先日オープンハウスにご協力いただいた調布の住宅が

完成しました。

南側には道路をはさんで畑が広がっている敷地です。

二階にあがった方が見晴らしは当然良いのですが、

道路からの視線さえコントロールできれば、一階で

リビングとダイニングに連続したテラスでの生活を楽し

むことができるので、やはり主空間は一階に置くこと

にしました。

ガレージをビルトインにするか、オープンにするかを迷わ

れいくつかの案を作成しましたが、周りに畑が多く砂埃も

気になるということも有り、やはり車は建物の中に取り込

むことにしました。

シャッターの話はずいぶん前に、このブログでも書いた

ことがありますが、今回も一応審査機関と相談し、ガレー

ジ内部が、室内と区画されていれば、シャッターそのもの

は防火設備である必要は無いという判断になり、比較的

価格の抑えられた、三和シャッターのクッキーというタイプ

のオーバースライダーを使うことこできました。

オーバースライダーはやはり上げ下ろしのスピードが速く、

ストレスがありません。

内部が真っ暗にならないように羽目殺しのガラスの

入った開口部を計画しましたが、これはかなり効い

ていました。

玄関ホールの照明は、一部壁をふかして、コーブ照明とし、

これでホール全体の明るさをまかなっています。

この写真、ちょっとわかり難いかも知れませんが、見えて

いるのは鏡に映った虚像です。

 シュークローゼットからホールへの出入りの建具に鏡を

設けたいという要望があり、このニーズは実際良くあるの

ですが、へーベルハウスの標準の建具では対応ができな

いため、ここは特注で作りました。

壁の中に引き込むポケットドアですが、枠無しにしているこ

とでコストを抑えています。これは思っていた以上に良くよ

くできていました。

リビング、ダイニングとテラスはこのように連続します。

空間の広がりが生まれます。ここでワンちゃんがうろうろ

する予定になっています。

リビングとワークスペースはこの石張りの壁で仕切ってい

ます。

壁は天井まで伸びずにとまり、丁部に照明を入れて間接

照明を取っています。

建具が引き込まれた状態の写真なのでわかりませんが、

仕切りの建具も壁と同じ高さにすることで、ワークスペース

のある壁の裏側の空間とリビングの連続性が保たれてい

ます。

天井際になにやらパイプ状の物が見えますが、もともとの

計画には無いはずだった物です。

壁が天井に届いていないということは一階の場合床からも

天井からも電気の配線を持ってくることができないというこ

とが工事に入ってから発覚し、天井から下ろす配線を隠す

ために塩ビ管を使いました。

オープンハウスの時にはまだ化粧の麻縄が巻かれておらず、

グレーのパイプがむき出しだったため、こんなところに配水

管をおとすと、うるさいのではと心配してくれた人も居たよう

ですが、このパイプの中を通っているのは排水ではなく、

電気なので、大丈夫です。と威張っていえる話ではないの

ですが。

クロスとの見切りは、アルミの見切り材を使いましたが、

シャープな仕上がりで気持ちが良かったです。

二階では、かなり日当たりの良い場所に洗面所を置いてい

ます。

日当たりの良い南側の洗面所、文句なく気持ちが良いです。

浴室も洗面所を通じてテラスとつながり、浴室そのものの

窓からも空が見えています。

キッチン横の北側の壁はセンターフード用のダクトが収まって

ています。今回はお客様の好みから、キッチンはTOYOキッ

チンをお勧めしましたが、TOYOキッチンはバックセットまで

計画するとかなりの 金額になってしまうのですが、キッチン

本体のみの採用で、食器棚をへーベルハウスのオリジナル

とすれば、現実的な計画になります。といっても安くは無い

ですが。違和感も全くありません

バタフライスリットと呼んでいる巾の狭い窓ではさむよう

に中央部に壁を取り、ここにもコーニスを設け、間接照明

を計画 しています。

両方のバタフライウインドウを空けると換気というより風を

感じることができます。

道路境界上のフェンスの低い部分は通風が取れる縦格子

のものとし、上部の目線の高さには目隠しのフェンスを用

いることで、通風とプライバシーを両立できるような計画に

しましたが、意図したその通りの出来上がりになっていま

した。

久しぶりのお引渡しでしたが、気持ちの良い家ができたと

思います。植栽が入るとまた雰囲気が良くなるはずです。

今回は植栽はお客間がご自身で手配なさるということだった

のですが、近いうちに相談させていただくことになっています。

 家具が入り、生活が始まったらまたお邪魔したいと思って

います。