東京デザインオフィスの荒川です
まだまだ内容つめ切れていないのですが、とりあえず
着工しました。完成は7月ころの予定です。
白金では少ない光の中でいかに居心地よい場所を
作るかということを考えてきましたが、鍋屋横丁では
空間とか心地よさというような話の前に、プランというか
プログラム優先で設計を進めました。
今へーベルハウスで一番新しい話はこれ
2.5世帯住宅。
って一体何?と思われた方はこのカタログお送りします
ので、連絡ください。
https://form.asahi-kasei.co.jp/homes/pub/hebelctg/tdo-apply
簡単に言うと昔のように大家族で一緒に住んでいる住宅
だと思いますが、昔のそれとはちょっと違うようです。
小さいときに、いとこの家に遊びに行くとまだ結婚して
いなかったお兄さんのような叔父さんの部屋がありまし
たが、そういうイメージなんでしょうか。
今回の2.5世帯の主役は素敵なお姉さん。子どもから
見ると家には親でもおばあちゃんでもなく素敵なお姉さん
が一緒に住んでいる。そんな住宅です。
とはいっても51坪の中に2.5世帯の空間を凝縮していく
ことになるので、機能的にかなり作りこんでいく必要
がありました。
鍋横のプランは一階にお父様はお亡くなりになってい
て、お母様とお姉さんが同じ世帯に住んでいるという
想定です。
この設定、お姉さんがいなければ普段ごくごく普通に
実際の計画でも見かけるパターンです。展示場でも
蒲田modelとか新宿展示場はこのパターンでした。
特に蒲田modelはもっと複雑に人が絡み合い、概念
的にはいまどきのシェアハウスに近づくのかも知れま
せんが、シェアハウスは共有する空間が中心にあっ
て生活を豊かにする一方で、蒲田モデルで考えてい
た多世帯住宅や今回の2.5世帯住宅はあくまで個の
空間を充実し、そこに人が尋ねていくというもので、
コミニュケーションの取り方が違います。
https://hebel-tdo.com/tdo/theme/detail_004.html
街かどへーベルハウスはただの展示場ではなく、何年
か後には実際の住宅として販売するため、あまり
現実的でない想定のものは作れないのですが、
不動産屋さんの話でも、こういうニーズはよくあるようで、
今回のプランでも、お姉さんの部屋、2.5世帯住宅の中
では充実マイルームと命名されていますが、そこが
普通にもうひとつの子ども部屋だとするとお母さんと
4人家族が一緒に住んでいる2世帯住宅ということにな
るし、例えば一階のお母さんのスペースを人に貸す。
そんな想定もできるようなプランになっています。
実際には、この部分を事務所として使う事務所併用の
住宅というような、ニーズも良くあるらしいです。
要するにつぶしが効く家ということです。
少し実際のプランをお見せします。
一階は二つの世帯それぞれに玄関があります。
ピンクの部分は親世帯の領域です。
上に行く動線としては、階段とエレベーターがありますが、
エレベーターは主に3階に上がる子世帯が使い、お姉さん
は階段を使って二階に上がる。お姉さんの部屋は子世帯
とはちょっと分離している位置にかんじるような造作をして
あります。
お姉さんも使うお母さんのリビングは、食事をしてくつろぐ
場所とお母様がお休みになる場所を分離しながらコンパ
クトにまとめています。
これだけのスペースでもこうやって使えるんだということを
見てもらいたいと思っています。
室内はそれほど大きくないのですがここにはウッドデッキ
のある庭が隣接します。ここが第二のリビングとなります。
そういえば、今実際に計画している住宅もお母様との
二世帯でまさにこの形です。
親世帯のスペースにある階段はお姉さんの専用のような
階段で上るとすぐお姉さんの充実マイルームがあります。
黄色い部分が充実マイルームです。
充実マイルームは、冷蔵庫も電子レンジも流しもテレビ
もパソコンもある部屋で充実したホテルの部屋といった
雰囲気になると思います。
ここにある流しは、お化粧をするような洗面か、ちょっと
食べ残しを流せるようなシンクなのかということを
インテリアコーディネーターや家具屋さんと打ち合わせ
ています。二人ともここに住んでいても違和感のないよ
うなお姉さんなので、自分の部屋を計画する感覚で
しつらえを考えてもらうと自然に想定したものが出来
るそうなので、私はここにはあまり口を出さない方が
良いのかも知れません。
三階は充実したLDKが確保できるので、全員で食事をする
というようなときは三階に集まるのだと思います。
二階には子どもとお姉さんが自然に触れ合えるようなシェア
ライブラリーという空間があるという想定なのですが、
空間までは取りきれないので、今回はシェアシェルフくらい
で何かここにCDやDVD雑誌などがあって両世帯の人が何
かを共有化するというようなことができると楽しいでしょうか。
というような場所になります。
って書きながら、階段の背中に結構隙間空間があるので
この部分もシェアシェルフにできそう?と気が付きました。
大きな話はこんな感じです。
その他にも今回は 科学応用冷暖研究所の高間三郎先生に
空調の計画をしていただいたき、空気環境のことをまじめに
考えたり、照明計画をダイコー電気のチームTACTにお願い
したり、形は「玄武」という新しい商品の形を作ってみたり
「ロンド」と呼んでいるもうひとつの住戸を賃貸にできたり、
「そなえのいえ」と呼んでいる災害に備える住宅であったり、
色々トライしています。
今後も、実際に見てみたくなるような話を紹介していきたいと
思います。
まずは2.5世帯のカタログは是非請求してみてください。
https://form.asahi-kasei.co.jp/homes/pub/hebelctg/tdo-apply
鍋横セットということで、今回導入している考え方のカタロ
グをまとめてセットにしても良いかと思っています。
その話はまた後日。
あと、
旭化成では、2世帯とか2.5世帯の話は昔同じチームで設計
をしていた事もある松本さんの専門分野で、今は社内の
二世帯住宅研究所にいますが、最近ではテレビに出たり、
平凡社から「二世帯住宅という選択」という本も出して
います。
さすがにこの本は、書店でお求めになってほしいのです
が我々が計画したハナミズキのある住宅
https://hebel-tdo.com/tdo/works/plan070/index.html
も実例として紹介されています。