東京デザインオフィスの荒川です。
何も情報発信していないので、忘れられているかも知れませんが中野区鍋横の街かどへーベルハウスが躯体まで完成しています。
まだ足場が掛かっていますが、中をのぞくと力強い玄武の外観が現れます。
一箇所吹き分けを間違えて白くなってしまっていましたが、完成までには直します。
そういえばここの幕にもTOKYO DESIGN OFFICEの幕を掛ければ良かったですね。
今回はこの住宅のプログラム上の主役でもある「充実マイルーム」の話です。
位置的には二階の南側。
日当たりも十分な条件はとても良い部屋です。
南に大きな掃き出し窓。上部に窓上付け庇はついているので、とりあえず熱取得対策はしているのですが、今年のような暑さだと、庇をつけてもアウタースクリーンをつけておいた方がよさそうです。
西側の壁面にはこれはもはや常套句になっていますが、壁をガラス面で直接壁を受けるような納まりで、風抜きの小さな窓のみ設けています。
この収納込みで9.3帖の部屋をいかに居心地良く作れるか。
これが今回の課題です。
TDOでコーディネーターもやっている川上さんに自分の部屋だったら長い時間いるのにベッドに座るというのはどう?
と聞いたら、やはりちゃんとしたパーソナルチェアかソファがほしいという答えが返ってきました。
本人はunicoの椅子くらい手軽なもので十分という話だったので、そんなイメージでベッドのレイアウトを少し変更しベッドサイドにいすを置けるようにしました。
例えば夜中に映画を見ながらお茶やビールを飲んだり位はすると思うので、ベッドにはさみ込むようなテーブルは必須です。
エアコンはもともと快適性を優先して床置きにしていたのですが、正面の壁の機能を考えると、カウンター下を使ってしまうのがもったいないので、壁掛けに変更し、ウォークインクローゼット側に埋め込んで、縦格子のグリルを設けて隠してしまう。という毎度の納まりに変更しました。
ベッドサイドには目覚まし時計くらいが置けるニッチも設けています。
この部屋でどんな作業を担保させるか、どんなことまでこの部屋の中でできるようにしておくか。それがもっとも大きな問題でした。
ただの子ども部屋との一番の違いはここにあります。
・TVは見る。
・パソコンも使う。
・簡単な書き物くらいはする。
ここまでならふつうです。
・お化粧やお化粧落としをここでして、顔も洗う。
・歯も磨く。
・部屋の中に冷蔵庫が合って、ビール、ワインやおつまみ、ついでに氷もほしい。
・簡単な食事なら温めて、お茶ののみ残しくらいはそのまま流せる。
・衣類の収納はしっかりとる。
ここまくるともう1人暮らしの部屋と大差ないですが、これ
だけの機能をうまく、それも気持ちよく9.3帖の中にどう納めた部屋が充実マイルームです。
ここで問題になるのが、シンク?ボール?
いずれにしても水を流すことができるものが必要になります。
顔を洗うボールにカップめんの汁を流せるか?
小さなシンクで歯を磨くことができるか?
昔なら当たり前だった気もしますが充実マイルームではいずれも抵抗があります。でも両方を兼ねるような流しが世の中に存在しません。
しょうがないので、シンクと洗面ボールを別々につけるかという結論にほぼ固まっていたのですが・・・・・・
今私が兼務している設計企画部はくらしノベーション研究所も併設されていて、
会議の中でまさにこんな流し、仮称キッチンドレッサーというの物を計画中という話を聞き、ならば売ってください。
ということで、東側の壁面は、上記のほぼすべての作業をサポートできる、すごい壁になる予定です。
先日このドレッサー試作を見てきたのですが、冷凍庫つきの冷蔵庫が大きかったり、そんな都合の良いシンクがなかなか見つからなかったりで、まだ試行錯誤が続きそうです。
もしかすると試作の完成が建物の完成より後になってしまうかも知れません。
完成したら、是非見てください。充実マイルーム。
場合によっては泊まっていただいてもいいと思いますが、どうでしょうか。