東京デザインオフィスの荒川です。
等々力の集合住宅が完成しました。
ドミノスラブと呼んでいる水平のスラブは、一見鉄骨梁の上端よりも薄く見えるようなディテールになっていて通常のパラペットや街にあふれている一般の建物のパラペットとは一線を画した見え方になっています。
垂直の独立袖壁をバートスラブと呼んでいますが、縦と横のスラブの厚みがほぼ同じ厚みに見えるようなディテール設計がされています。
こうしてみるとヘーベルハウスの商品開発のこだわりには感服してしまいます。
今回歩道と一階住戸の間のインターフェイスとして三協アルミの格子を使っていますが、
アプローチとの境界はもう少し見込み(奥行側のことをこう呼び、逆に正面側を見つけと呼びます。)の大きな格子でアルミではなく樹脂木を使ってグレード感を出したかったのですが、うまくいったと思います。
計画段階ではインターフェイスになる格子の下部を少し透かして植物が這い出てくるようにしたかったので、土留め野天端をGLより100mm下げてその隙間からハイビャクシンが垂れ下がるような納まりにしてあります。
もっと極端にテーパーをつけてもよかったかもしれませんが、
ハイビャクシンが少し成長してくるといい感じになりそうです。
道路からアプローチしていくと正面には成城モデルの計画以来、お世話になりっきりのフロントのニューラスティを貼った壁がアイストップになり、そこに小さく控えめに「 Fika Todoroki」の文字が掘り込んであります。
FIKAとはスウェーデン語でコーヒータイムというような意味らしく、カフィを逆にした言葉というようなことがネット上に書いてありました。このネーミングはお施主様が決めたのですが、響きも文字の大きさも控えめで上品な感じがしてとても気持ちが良いです。
共用玄関扉を開けて中に入っていくと正面には先日紹介した、きれいに塗装されたエアリーがアイストップになりヤマボウシの樹が目を楽しませてくれます。
アトリウムの方に目をやると、上部から天空光が下りてくるのが感じられます。
床のデッキを以前紹介したMINOのシラチャという色の、彩木という材料を使ったのですが、よく光を返してアトリウム内が非常に明るくなっています。
木目がわざとらしくなるといやだと思っていたのですが、それも取り越し苦労だったようです。
アトリウムの正面に来るととてもさわやかな感じがします。
床も壁も真っ白で天井だけが青いというのもとても気持ちがよいです。
もみじの葉が出て、DEDONの屋外用のソファが入ると快適な屋外ラウンジになりそうです。
今回の照明計画はダイコー電気のチームタクトの立花さんにお願いしました。
このように昼間の照明と夜間の照明を二系統に分けています。
24時間つけっぱなしの状態だと、LEDとはいえ寿命が短くなるので、それは避けた方が良いというのが照明計画では割と当たり前の話のようです。夜間の雰囲気も紹介しておきます。
アプローチ部は夜はこんな感じになります。
実はまだ館名版の中の照明が入ってないので、照明が付くとうすぼんやりと文字が浮き出てもっといい感じになりそうです。
インターホンのカバーもニューラスティで一体で作ってあるのですが、古い仕様のものに合わせて作ってしまったので作り直しです。
正面のアイストップ上のヤマボウシはこんな風に見えてきます。
アトリウム内は上部からのスポットライトの光と、植え込み内部のスポットライトに照らされて室内のような明るさです。
マジックアワーを少し過ぎた位の時間で、写真に撮るとまだ空が青く写ります。
遠目に見るとエントランスの穴が光って、吸い込まれそうな感じがします。
この等々力の集合住宅の見学会の日程が決まりました。
2016年4月23日(土)・24日(日)
2016年4月29日(金・祝)・30日(土)・5月1日(日)
各日10:00~17:00にご自由にご見学いただけます。
期間中にデザイナーズトークも企画していますので、
詳しくはまたご案内いたします。