東京デザインオフィスの為田です。
昨日、山中湖の三国山へ行ってきました。
天気予報どおり、霧の深い朝でした。富士山も霧の中。
山中湖を見下ろしながら、登っていきます。
足元は、スコリアという富士山の黒っぽい火山噴出物で、湿っている方が
返って歩きやすいです。乾いていると砂浜のトレーニング状態なので。
久しぶりにカタツムリを見ました。
ナデシコもひとつだけ発見。
気温の上がる9時半くらいから、森の中はセミの大合唱になりました。
霧で視界もなく、話も出来ないくらいのセミの音量の中で、
視覚と聴覚を奪われ、時間の感覚が無くなっていく感じがしました。
目の前のキノコに見とれていた時、ふと上を見上げると、無数の
セミの抜け殻を発見。7年も頑張ったんだからなあ、と思うと、
しっかり鳴けよ!!と応援したくもなります。
昼食までは、なんとか雨は降っていませんでしたが、帰りは、シトシトと
はじまり、やがては大降りになりました。
ブナの葉は、雨を集め、枝を通じて、幹から根元へと流します。
幹は、滝のように雨が流れていきます。
そして、自分の落ち葉で作った腐葉土のスポンジへしっかり雨を貯め込むのです。
ブナは、漢字で書くと木に無、木材では役に立たないからと聞きました。
また、音の響きも不器用や無骨を連想してしまいます。
しかし、最近は緑のダムとして重要性は見直されています。
花粉で嫌われている杉の林はどこも土が流されて荒れているのを良く見ますが。
先日も北区のゲリラ豪雨での水害のニュース映像をみて、心が痛みました。
雨を地面に貯め込めない都会のコンクリートとアスファルト。
翌桧は、いつか桧になろうと夢見ていたという。
近頃、今までにもまして、ブナに親近感を感じている自分は、
決してヒノキなどではないことを自覚する年齢になったということだなあ。
ブナでいいじゃなか。お前が必要なんだ!ブナがんばれ!!
などと考えながら、ブナの幹をポンポンとたたいて、二時間半、雨の中を歩きました。
「大人になって、こんな雨の中をズブ濡れになりながら歩くのも楽しいね。」
と妻も喜んでいました。シャワー浴びてるような爽快な気分のまま帰途につきました。