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2010.08.23 村井正誠記念美術館
東京デザインオフィスの松尾です。
岩井をはじめとする数人の設計担当とともに訪問したのは等々力渓谷の程近く。
「村井正誠記念美術館」
抽象画家村井正誠のかつてのアトリエをまるごと内包する建築。
鉄骨造の新しい建物のなかに、古い木造のアトリエが丸ごとの入れ子になっている。
このふたつの箱の隙間が作品の展示スペース。
「材料の再利用」
そんな目に見える形だけでなく、画家の記憶を保存し、継承した空間。
宝箱のような旧アトリエ。
実は２階部分には彼の作品を守るマダムが居住するスペースが。
もちろんギャラリー部分もすばらしいのだけれど、
マダムご本人に案内して頂いたそのプライベートスペースが、幸福感に満ちていた。
大量の蔵書、作品、ポートレイトなどがつみ上がる。
そのモノだらけの生活空間は、決して整然とはしていないし、
何かを声高に主張するようなデザインでもなければ、「流行り」のインテリアでもない。
ただひたすらに夫の空気に包まれている。
愛車だったクラウンは池のなか。
朽ちるにまかせてあるようで、そうではない凛々しさを放つ。
なんという幸せな「住宅」だろう。
設計は隈研吾。
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