東京デザインオフィスの為田です。
今週の山行きは、奥多摩の高水三山ハイキングコースへ。
ガイドブックでは、奥多摩入門コースだとのこと。
御岳駅からスタートし、一時間半は、登りが続く。
多摩川沿いの車道の車の音も聞こえなくなると、山の中は、
同じ東京とは、思えない静かさ。
眼下には、川井の集落が、小さく見えている。結構登ったな。
名前のとおり、高水山を含め、三つの山を巡る。
何の巣だろうか。近くの木では、キツツキが幹をツツイテいる音がする。
高水山では、清水が、湧き出し、小さな流れが始まっていた。
それは、沢筋の流れになって、集落の間の川になり、多摩川へ注いでいる。
今、流れている水が、通勤途中に毎日渡っている、世田谷区あたりの
多摩川の水として流れるのは、今晩くらいかなあ。
明日ってことは無いよな、などと考えても、答えは想像できなかった。
軍畑駅への途中の集落へ下りてくると、柚子や蝋梅の香りが迎えてくれた。
下山後、この時期で奥多摩といえば、小澤酒造さんへと、立ち寄った。
清らかな湧水を使った酒造りは、元禄年間から始まったとのこと。
立派な母屋だった。
酒蔵の軒下には、杉球が吊り下げられていた。
「新酒が出来ましたよ」という合図だと、妻が教えてくれた。
初め、杉の葉は緑の球なのに、茶色に変わることで、
新酒の熟成の具合の意味にもなるのだと。
今は、仕込みでも忙しく、酒蔵見学も時間を制限しているとのこと。
売店を覗いて、おみやげに、新酒を一升、購入した。
店員のお兄さんから、
「このお酒は、ここでしか売ることのできないお酒です。
ネットでもファックスでも、買えません。
この時期に、ここへ来てくれた方だけが買えるお酒なんです。」
僕の仕事は、ネットを通じて、ヘーベルハウスを建てていただくことなのだ。
ネットでは買えないモノに、惹かれた自分に、若干の戸惑いを感じたが、
ほど良く疲れた体に、新酒は、良く浸み込んだ。