東京デザインオフィスの為田です。
4月になり、桜も満開になった。
みんな忙しそうで、ブログ更新もないので、先週の山行きを。
前回、雪で途中断念した丹沢の表尾根を、再アタックした。
登山口近くには、護摩屋敷の水という湧水がある。名水として有名。
護摩屋敷とは、山伏が修行する所、丹沢の山らしい名前だ。
この頃、ペットボトルの水は品不足になっているが、自然の恵みのありがたさ。
500mlだけ、ボトルに詰めて、出発する。
三ノ塔までは、覚えのある登りを、一時間半で、たどり着いた。
そこからは、目指す塔ノ岳が、はっきり見える。
尾根道を左に行って、右に折れて、また左に曲がって登った先の
中央奥の高いところが、目指す頂上なのだ。
前回は、真っ白で何も見えなかったが、かえって目標の遠さを直視してしまうと、
道程のつらさが、先に頭に浮かぶ。
「あれこれ悩むより、一歩踏み出すことから始めるか」
的な、安易な自己啓発本のフレーズが想起され一人苦笑した。
シカの食害も有名で、群れに出会ったが、人間を全く気にしていない様子。
地図コースタイム通り、2時間で頂上の山小屋に着いた。
山小屋のご主人を中心に、誰かの話に誰かが加わり、
誰かが去って誰かが到着する。
話題は、やはり地震のことになる。
ご主人は、地震の時も山小屋にいて、ガラスが全部割れるかと思ったとのこと。
その後の富士あたりの地震の方が大きく揺れた。
一人登ってきた女性は、北八ツの横岳の山頂にいた時だったと。
珍しい草花のこと、バイケイソウを野草と間違えて食べて倒れた登山者のこと、
毒キノコを食べて口が麻痺して筆談で救助を頼んだ登山者のこと、などなど。
色んな話をストーブの前で聞いていると、外に出たくなくなり、棚のカップラーメン
を注文した。加えてコーヒーも。
山では貴重な水に加えて、最近スーパーではカップ麺も品切れの中、
心苦しかったが、寒い中、ありがたく頂いた。
鍋割山を経由した下山の道程は、これまた長く膝にきたが、途中見かける
新緑の芽吹きには、心躍らされた。
ゴールのバス停近くの畑の土手では、丹沢の山並みをバックに
小さなピンク色の花が咲いていた。
帰宅して調べたら、「ホトケノザ」だった。
なるほど、仏の蓮華座に見立てられた名前に納得。
が、春の七草とは別物とは、奥が深いなあ。
今年の新緑シーズンは、何処へ行こうか。