東京デザインオフィスの為田です。
先週の山行きは、今年の夏のメインイベントとして、家族で、
北アルプスの槍ヶ岳へ出かけた。
先ずは、上高地から梓川沿いを三時間かけて、横尾まで歩くのだが、
これは、懐かしい、去年の同じ時期、北穂高へのルートと同じ。
何も変わって無いなあ。変わったのは、息子の背丈が、妻をはるかに超えた
事だろうかと、二人の後姿を見ながら楽しんだ。
ノアザミやホタルブクロの紫色が、夏らしく迎えてくれた。
槍見河原にたどり着くと、やっと目的の槍の穂先がみえた。
遠さにワクワク感も増していく。けど、遠い、、、。
沢沿いのクルマユリや、
夜の雨で濡れたニッコウキスゲは、意識しなくても
その色と存在感で、目に飛び込んで来て、立ち止まってしまう。
カメラのピント合わせを苦労している間に、二人に置いて行かれる事多し。
高度も上がり、やっと夏山らしい写真が撮れた。
しかし、それも一瞬で、ガスが山を越えて充満してくる。
その中で、やっと槍の穂先を近距離に捕らえた。
天に槍を突くその形は、どこの山からも見つけられる。
富士山に対抗する、遠くから見えると嬉しい山型だ。
途中、四ヶ所くらいの雪渓も、汗だくの身体には、冷ややかで爽快だ。
槍の肩にある山荘に荷物を置いて、いよいよ3180mの穂先にアタック。
頂上は、狭い岩場で、立ち上がっていることですら、恐怖を感じる。
雲で視界を遮られ、360度の自慢の眺望は得られなかったが、
すっきりと晴れていて、深い谷底が見えていたら、それは足がすくんだことだろう。
頂上からの下山もヒヤヒヤだったが、下山してすぐに激しい雨模様になった。
翌日の下山も真っ白の雨の中。
すぐそこにある槍の穂先は、影すら見えず、さよならも言えずに下山となった。
霞の中のお花畑も良いもんだ、と、自分を納得させていた。
今日は、一日かけて、上高地までたどり着けばいいので、大きな雪渓を
意味も無く、向こう岸へ渡って、戻って来たりして遊んだ。
小屋で買ったTシャツをすぐに喜んで着てくれるのは、なんとも微笑ましい。
来年は、このTシャツ着せて、どこの山へ行こうかなあ。