東京デザインオフィスの為田です。
先週の山行きは、妻と北アルプス燕岳へ出かけた。
お盆休みのピークを避けたつもりが、天気のピークも外したようで、
予報どおりの雨模様だった。
まあ、山の天気予報は、当てにならないが。
登山口手前の温泉宿に前泊し、午前3時半起床。
夜明けの薄明るくなる午前4時50分から、北アルプス三大急登の
ひとつに取り付いた。
三週間ほど前の槍ヶ岳では、円く白い花を咲かせていた
チングルマも果実になっていた。夏も終わるなあ。
30年でやっと10cmの背丈に育つ小さな木。
ホソバトリカブトの鮮やかな紫は、白い霞の中で浮きだっていた。
花の形は、僕には金魚に見えたけど。ぷかぷか泳いでるようで。
今回の目的は、高山植物の女王、「コマクサ」。
何とか、花の終わりに間に合った。
こんな誰も住まない砂礫地に、よくぞ可憐な姿。
花崗岩の白い砂礫が、ハイマツの緑をバックにピンク色に染まる。
写真を撮るために、砂礫地に踏み込んでいくと、その足跡が付き、
激しい雨がそこを浸食し、コマクサは無くなってしまう。
ぎりぎりのバランスで保たれた環境だと、山小屋のご主人が言っていた。
(残念ながら、足跡はいくつか残っていた。)
今、一番怖いのは、人間がバランスを崩し、鹿がやってくることだと。
その群れは、一晩でこのコマクサの群落を食べ尽くすだろうとも。
人も少なく、天気の悪い日は、ライチョウに会えるのではないかと期待して、
強い風の吹く中、耳をそばだてて、稜線を歩いた。
そして、ハイマツの巣の前で、警戒した視線をこちらへ送るライチョウに会った。
登山道を外れて近づくことは、厳禁なので、コンデジのズームで撮った。
(今度、もっと高倍率の光学ズームコンデジを買おうかなあ。GPS付で。)
燕岳に立った時には、視界は無かったが、その先の北燕岳へと向かう途中から、
強い風が、ガスを吹き飛ばした。
それから数時間だけ、美しい燕岳の姿や、北アルプスの稜線を楽しめた。
夕方からは、雨も激しくなり、夕陽や御来光は、またも見ることできず。
翌日も雨の中を下山し、温泉に浸かり、安曇野に下りると雨はあがった。
一面の白い、蕎麦の花畑があると車を停めつつ、ゆっくりゆっくり帰った。
あれ、東京も夏が終わったの??