へーベルハウス東京デザインオフィスのマツオです。
お施主様がご自宅の1階でオープンした小さなカフェをご紹介します。
惜しくもこの5月に41年の歴史に幕をおろした下北沢の老舗喫茶店「T」。店を閉める理由はビルの建替えだそうで、まあよくある話ではありますが、こうしてまたひとつ、シモキタらしい素敵に雑多な街かどが消えてしまうんですね・・・。余談ですけど、ワタクシ、はるか昔に劇団で雑用のバイトをしていまして、シモキタにはちょっと思い入れがあるのです。
さて、その「T」が大好きだったお施主様。閉店の報に、「Tのかぼちゃのプリンが食べられなくなるのは下北沢、いや、世界の大きな損失!!」と、自分が引き継げないか、思い切ってマスターに直談判。快諾してくれたマスターとマダムからスペシャリテのかぼちゃのプリンの特訓を受け、Tで使っていた家具や食器、ロゴも引き継いで、あれよあれよという間に開業の運びとなりました。
その名も「代沢T」の誕生です。
もともと、ご自宅の1階部分はカフェなどの開業を想定した計画ではあるのですが、これがご縁というものなんですね。41年間の歴史を刻んだ什器と、お施主様ご自身の思い出の品々がしっくりと馴染んだ店内には、穏やかな物語が流れるのを感じます。
3層吹抜けの小さな光井戸から注がれる優しい自然光も心地よく、全てが前からここにあったかのような佇まい。ギラギラでもキラキラでもなく、なんたら映えのあざとさとも無縁。落ち着く空間です。
いただきましたのは、かぼちゃのプリン、しもきた茶苑大山の水出し煎茶。暑い暑い午後に、どちらも心が整う美味しさでした。
カフェ営業中の目印は、Tのアイコンの上に置かれたホーローのポット。
当面は、朝8時から14時くらいまでの営業のようです。朝からプリン、いかがですか?
お店の詳細は、代沢TのInstagramをご覧ください。
Instagram @daizawa_t