CASE #129 港区のレジデンス

今回はかなり贅沢な住宅をご紹介します。建物は1階のガレージとアプローチ部分に、2階と3階のボリュームがずれて乗るような形です。ヘーベルハウスでもよく使われている手法ですが、見ていて美しいと思える形になるように構成しています。お施主様の価値基準が非常に明確で、こちらからシンプルモダン一点張りの押し付けをするのではない、お客様と一緒に作っていくというスタイルがうまくいった計画になったと思います。

東隣は奥に建つマンションの通路で、ここは将来にわたって何も建つことはないはずの通路です。その隣の敷地にはクスノキやケヤキが茂っています。東側は朝日も入り、緑の借景もある場所です。

当面は東側からの採光をあてにして光を取り込む計画になっています。通路の向こうに建物が建っても通路幅分は残るので、それなりに採光は確保されます。都心の建物はこうやって影響しあって出来上がっていくのだと思います。

門扉は自動ドアになっています。というのは、自転車を押してここを通るときに扉を押さえて通過するのは大きなストレスになるという話になり、門扉はガラスの引戸の自動ドアということになりました。

玄関を上がると正面に床の間のような空間があり、そこに絵をかけるというような話もありましたが、当面壁だけでも絵になるような素材を選ぶということで、最終的にはSALBATOLIのRAWという種類の石を使っています。

玄関土間にはFrank Lloyd WrightのTALIESIN2が置いてあります。このスタンド自体は個性が強すぎて、正直あまりいいと思ったことがなかったのですが、初めてきれいだと思いました。この場所にはぴったりです。

石の壁の奥にある隠れ家のような小さな和室です。お客様からは本格的な茶室は難しいから、「なんちゃって」でいいですよと言われていたのであまり気負わず、気軽に作りましたが、とてもいい空間になりました。

敷地がたんこぶのように出っ張っていて、その奥のクスノキも含めて、あるなりに空間を借景して庭を作っています。石灯篭は京都の御実家から持ってきていただいたもので、竹垣は本物の竹にガラス樹脂を含侵させて腐りにくくした竹垣を使っています。

2階は主に接客に使う空間で、お客様の好みの物で構成された空間になっています。

3階は主室で、キッチンは最近よくあるオープンスタイルではなく、独立した空間になっています。日常は大きな対面キッチンですがRikiのスライドドアで仕切ると完全に別空間になります。

キッチンの壁の仕上げは御影石の一枚スラブを分割してそのままここに貼っています。同じ空間の中に通常であれば主役を貼れるクラスの素材が散らばっている中でも、ひときわ大きな存在感を見せています。

キッチンの壁の仕上げは御影石の一枚スラブを分割してそのままここに貼っています。同じ空間の中に通常であれば主役を貼れるクラスの素材が散らばっている中でも、ひときわ大きな存在感を見せています。

この空間の中に、独立柱が2本立っているのですが、これはお客様が好まれているテーブルや椅子を作っている広島の松創という家具メーカーにオーダーして作ってもらったもので、リビングボードも作ってもらっています。

天井はハイルーフユニットを用いてダイニングと、リビングの上は天井が高くなっています。全館空調のダクトによる天井下げも必要なことで、天井の高さが3種類存在することになり、非常に複雑の空間になっています。

天井はハイルーフユニットを用いてダイニングと、リビングの上は天井が高くなっています。全館空調のダクトによる天井下げも必要なことで、天井の高さが3種類存在することになり、非常に複雑の空間になっています。

天井はハイルーフユニットを用いてダイニングと、リビングの上は天井が高くなっています。全館空調のダクトによる天井下げも必要なことで、天井の高さが3種類存在することになり、非常に複雑の空間になっています。














