東京デザインオフィスの荒川です。
ウッドデッキの話の続きです。
成城モデルの二階の小さなベランダにオーク材のデッキがありました。
薦められて採用してみましたが、
材厚は薄いし、特に熱処理も薬液処理もしていないもので、
これが本当に耐久性があるのか不思議に思っていたのですが、
冷静に考えれば持つわけもなく、一年もしないうちに色あせただけでなく、
ひどく反ってしまいました。
このころ周りで表面にリブの入った樹脂木材のデッキを見かけるようになったのですが、ネットで調べても出てくるのはサンワカンパニーさんのものばかりで、
私が使えそうなものがなかなか見つかりませんでした。
成城は何か別のものに入れ替えないと思っていた時に、
ラウンジの家具の特殊なカットをしてくれたトーザイクリエイトさんが
樹脂のウッドデッキを扱っているという話を聞き、入れてもらったのがこれです。
通常のつるつるしたプラスチックのような質感ではなく、
少し木の表情に近づいています。ちょっと高いのですが。
その後、外構・造園工事をお願いしている富士植木さんにリブ入りの樹脂木材を探してもらったところ、結構な数の商品を紹介してくれました。
その中から、ハンディテクノ(株)というメーカーのハンディウッドというデッキ材を使ってみました。
最近出来上がった成城の住宅の中庭で使ったのですが、
これはかなり良いです。
ほぼイメージしていたものに近い出来です。
鋸目のような切り込みが入っているのですが、巾とピッチにムラがあり、
色も光の反射も均一ではなく、見た目にゆらぎが
生まれています。以前から言っている気持ち良さのもとになる
「揺らぎ」を持っている材料と言ってよいと思います。
耐久性もあり、見た目もこのくらいできるのであれば、
当面はデッキ材の切り札的な使い方になると思っています。
実はこの他にもMINO株式会社の彩木という材料と、
最近建築家の隈研吾さんが良く使っている化学的に木材の物性を変えた
腐らない木というキャッチフレーズのアコヤという木材を試し始めています。
こちらは、もうじき完成する等々力の集合住宅の中庭と、
計画中の住宅のパーゴラに使う予定になっています。
完成したら、またご紹介したいと思います。