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名東区の住宅

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建築実例

東京デザインオフィスの荒川です。

TDOのホームぺージがリニューアルされ、私と矢島のデザイナー対談も掲載されました。トップページが自分の顔というのもなんだか不思議な気かします。矢島は相当気に入っているようですが。

「名東区の住宅」のお施主様インタビューもアップされたので、今回はこの住宅について書いてみようと思います。

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敷地は道路から2.7mほど高いところにあります。この高低差を上るという行為を、公園の中を散歩するような感覚で玄関までたどり着けないかと考えて計画しました。2.7mという高低差は地下車庫を計画するには丁度良い高さなのですが、玄関を含めた地下室をつくると大幅にコストアップとなり、今回は地下室以外の方法で、2.7mの高低差を、気持ちよく公園の中を歩くうちに自然と玄関にたどり着くように感じられるものに変えられないかを考えています。ただまっすぐ上っていくだけの階段では視線の動きも単調で面白くないと思ったので、平面的には蛇行していく形を検討し、長いアプローチを蛇行させて内側に樹木を入れ、奥行が感じられる楽しい小道のような場所を作ることができました。

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外部階段の計画では蹴上150mm踏面300mmというのが暗黙の了解のようになっていますが、これが最も上りやすいわけではなく、本当はもっと緩い方が上りやすいのです。ただし迂闊に蹴上だけを小さくしてしまうと歩幅が合わず非常に上がり難い階段になってしまいます。一般的に蹴上Hと踏面Dの関係は2H+D=600という公式のようなものがあり、この関係はほぼ守って計画しています。最終的にH/D=122/360で22段とかなり穏やかで上がりやすい階段ができました。

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ゾーニングは主空間から半島状にワークスペースのボリュームを突き出させていくことで、外部空間を中庭的な空間にしていく手法をとっています。

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お客様はリーンロゼというフランスの家具メーカーのソファをお持ちでした。重心が低く非常に柔らかい印象のソファです。今回このソファの張地を張り替え、新たに一人掛けを2つ追加して、リビング空間を構成していくようなインテリアになりました。ダイニングチェアはフリッツハンセンのドロップチェアを選んでいます。なんとなく白木のイメージのある北欧モダンど真ん中でもなく、フランスとデンマーク、それも木の肌触りではなくファブリックや樹脂の家具でまとめていくというのは、なかなかできないような気がします。

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ドロップチェアはピンクを選び、床材も木と木の留めが緩い角度で接合されたフレンチヘリンボーンの寄木で、マルホンの草木染の素材を使って更に全体を柔らかな印象にしています。

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外につながっていくウッドデッキもアルミと樹脂のハイブリッド素材の白いデッキ材を使い、室内がさらに明るくやわらかな印象になっています。

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内部と外部を大開口でつなぐと大きな魅力を感じる空間になりますが、その開口部をどう選ぶのかという問題にいつも出くわします。実際に窓を全開できる季節はそう長くはないので、一部が開くビスタウインドウを選ぶのかということを、お客様と一緒にいつも悩んでいます。今回は並んだ2枚の開口部の片方を、全開できるフォールディングウィンドウ、もう片方をビスタウィンドウにするという選択をしています。窓の高さもそろっているので開閉形式の異なる開口部が隣り合ってもそれほど気になることもありません。

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